クラス対抗戦
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なると思ったのか一夏さんは距離を取ろうとしているようですね。
確かに『白式』の機動ならば引き離すことは容易です。現に二人の距離はどんどん離れていきます。
その途端、一夏さんの背中を何かが掠った!
「な!」
「今のはまさか!」
今、弾丸も何も無い空間が爆発しましたよ!
「山田先生。今の攻撃は分かりましたか?」
「衝撃砲ですね。空間自体に圧力をかけて砲弾を打ち出す武器です」
「あれが……」
「『龍咆』……ですね」
箒さんが強く拳を握り締めているのが見える。
なんとか起き上がった一夏さんにまたも衝撃砲が連射される。一夏さんはそれを感じ取ったのか素早く回避を行います。
見えない弾を不規則な機動で避けつつ『甲龍』を中心に縦横無尽にアリーナを動き回っています。前情報のお陰で焦ることはないようですね。
「弾が見えないというのは予想通りでしたけど……まさか砲身も見えないというのは……」
「しかも砲身の射角がほぼ制限無しで撃てるようですわね。先ほど真後ろと真上への攻撃を確認しましたわ」
「そういうことに……なりますね」
私の言葉にセシリアさんが答えてくれた。
その間も一夏さんへの射撃は続いていて、必死にそれを避ける一夏さんが画面には映し出されています。
でも……これは当初の予定通り……これでようやく、ということですね。
「あとはチャンスだけですね」
「そうだな」
「ええ」
箒さんとセシリアさんは既に声だけでこちらを見ておらず、画面を凝視している状態です。
砲身、砲弾は見えない。射撃角度は無制限。弾切れもない。これだけ見れば分かっていても無敵の兵器です。
だけど……
「ふむ」
なるほど。
「山田先生、少しよろしいですか?」
「あ、はい。どうぞ」
山田先生に許可をとって一夏さんへの通信機を借ります。
「一夏さん、聞こえますか?」
『カルラか!? 今それどころじゃ……!』
「あの衝撃砲の弱点が分かりました」
『エ!?』
内容を素早く頭でまとめ説明を開始する。
「あの衝撃砲は見ている限り砲身は肩部のユニットにひとつずつで計二門。つまり一度に撃てる数は2発まで、発射まで一瞬ですがタイムラグがあります」
『それのどこが弱点なんだ!』
「ここからです。あの砲身の射撃角度は無制限らしいですけど、それはオートロックではなくあくまでも操縦者が相手をロックしてから射撃をする普通の射撃兵器です。360度確認できるISで死角にというものはありませんが、凰さんの意識の外に行けば撃たれるラグは大きくなります。ただ不規則に動いても意図が読まれれば弾幕を張られてしまいます。しかし『
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