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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
クラス対抗戦
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点でも鳳さんに分がありますわね。一夏さん! 私の教えて差し上げた三次元躍動旋回(クロス・グリッドターン)をお使いなさい!」

 箒さんが心配する声を上げると共にセシリアさんが山田先生の通信マイクを借りて一夏さんに指示します。

『む、無茶言うなよ!』

 防戦を繰り広げている一夏さんの声が響きます。それでも時折隙を見つけては凰さんに斬りかかっていくので気負いはしていないようですね。
 技術で負けているのならば気持ちで負けないことが重要です。負けと思えば勝てる勝負も勝てませんからね。一夏さんは剣道経験者ということでそこら辺のことはよく理解しているようです。

 それに凰さんにも弱点がないとは言えません。
 青龍刀は威力は大きいが取り回しが悪い。しかも二刀となると両手の負担を片手で受けねばならない分受けに回った時のリスクは大きいはず。『白式』の機動性と単一仕様能力の特性を考えれば十分に勝機はある。

 ……はずだったんですが、なんと凰さんは青龍刀を連結して攻撃してきました。これには一夏さんもたまらず回避に徹します。
 片手であれだけの威力を誇るのですから、両手持ちだとISごと弾かれかねない。

 そもそも二つを離しているときでもあれだけの連携を見せたのに、連結した今は青龍刀をバトンのように振り回しながら更に苛烈な連続攻撃を仕掛けてきている。

「カスト。この戦い、どう見る?」

「ひゃい!? わ、私ですか?」

 織斑先生にいきなり聞かれて戸惑ってしまいましたが、言わないのも怖いので自分の考えを伝えましょう。

「そう、ですね。スペック上、機動力では『白式』のほうが『甲龍』を上回っています。それだけならばいいのですがやはり一夏さんはまだまだ初心者です。連続稼働時間が凰さんに比べて圧倒的に足りないため経験が不足しています。そのせいで三次元躍動旋回のような複雑すぎる機動はできません。今も……」

 画面を見ると凰さんの攻撃を避け、一夏さんが攻撃を仕掛けようとした。しかし既に凰さんは一夏さんの間合いの外に逃げてしまっています。

「あんな感じで動きを読まれます。勝率が無いとは言いませんが、良くて2割程度でしょうね」

「ああ、私もそう思う」

「そんな! 二人は一夏に勝ってもらいたくないのか!?」

「そんな訳はありません。ですが、状況分析からいってそう見積もるしかないんです。練習でも結局私たちには近づけませんでしたし。何か奥の手があれば……」

 そう、結局最終日の特訓、一夏さんは回避が精一杯で私たちに迫ることが出来ませんでした。当然といえば当然ですがあの特訓から何か得ることがあれば、と思ったんですけどこう接近戦が主体では遠距離攻撃を掻い潜って隙を突く、ということができません。

 消耗戦に
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