聖母たちの子守歌
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気がするので、いい加減、今すぐ、速攻で、一瞬のうちに、秒で、帰ってくれませんか。ホント、マジで、切に、心から!」
「夫婦揃って言葉にトゲがあるぅ」
貴方……悪影響なんですよ!
「そっかぁー……もうおねむなのかぁー」
「ええ、だから帰って……そして二度と来ないで下さい」
主張が凄い。
「よ〜し、じゃぁリュー君が特別に子守歌を歌ってあげよう! タイトルは“聖母たちのララバイ”だ!」
「止めて下さい。赤ん坊の教育に悪い歌を聴かせないで下さい!」
教育に良さそう感が微塵も感じられないタイトルよね。
「馬鹿者! お前は何時もそうだ……食べ物も食べもしないで批判したり、名曲も聴いても無いのにダメ出しする。上っ面だけで判断するのは良くないゾ」
「で、ですが……子守歌としては不適切だと……」
「タイトルに“ララバイ”って付いてるんだから、不適切なわけ無いだろ!」
そうだろうか?
そんな疑問を指摘しようとしたが、お義父様はハミングで前奏部分を歌い出してしまい、何も言えなくなった。
そして歌詞……
・
・
・
「……や、やっぱり赤子に聞かせる歌じゃねーじゃんか!」
「そうかい? でもアミー寝ちゃったよ。スヤスヤだ」
あの歌でスヤスヤ眠られるのは困る。
「何でだ!?」
「はいはい……アミーちゃんをベビーベッドに誘いましょうねぇ」
子供が馬鹿みたいに大勢居るだけあって、手慣れた手つきで孫をベッドに寝かしつける。
「じゃぁ用が済んだからもう帰る」
「二度と来んな馬鹿!」
「二度と来ないで下さいお義父様」
「嫌われたもんだ(笑) まぁいいや……そんな事より君たち夫婦に耳寄り情報。あの歌でスヤスヤになったて事は、かなり深い眠りについてるよ……久しぶりに夫婦の営みが出来る! 頑張れ(サムズアップ)」
……思わず夫と視線が合う。そして一気に恥ずかしくなった!
「う、うるさい帰れ!」
恥ずかしさのあまり、手近にあったアミーのぬいぐるみをお義父様に向けて投げつける夫……
だが既にリュカさんは出て行っており、“ポフッ”と音を立ててぬいぐるみだけが玄関先に落ちた。
自分で投げたぬいぐるみを回収すると同時に、リュカさんが再突入してこない様に鍵を閉めて、私の傍まで戻ってきて顔を赤らめる夫。
久しぶり……本当に久しぶりの事なので、私の顔も真っ赤になってるだろう。
お互いに何も言えないで居ると、意を決したティミーが私を所謂お姫様抱っこして寝室へと向かった。
そして……
アルルSIDE END
(グランバニア城・プライベー
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