聖母たちの子守歌
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………」
するとお義父様は私の胸を凝視して、アミーを左腕だけで上手に抱っこすると、徐に空いた右手で私の胸を鷲掴みにした。そして勿論、揉む!
一昔前の私なら大声を張り上げて胸を庇いつつセクハラをするリュカさんを罵っただろう。
だが今は違う。
そんな事をしてもアミーを怖がらせてしまうだけで何一つとして利点は無い。
寧ろ冷静にお義父様を見据えて、隙だらけの左腕からゆっくり安全に愛娘を奪還し、娘の身体で胸を隠す。
そしてお義父様にニッコリと微笑みかける。
大概の男なら顔を引きつらせて大人しくなるのだが、目の前の男は大概外だ。
私の満面の笑顔に……「乳揉みたくなったら、そんな遠回しな事せず、揉む!」と言い切る。
分かってたさ、そんな事は!
だが私を不機嫌にする要因がまた一つ……
それは愛娘が、私に抱っこされてる時よりもお義父様に抱っこされてる時の方が喜んでいる事だ。
基本的に娘はあまり泣かない。
だから私に抱っこされたからと言って、泣き出したりする事は無い。
だが、あからさまにお義父様抱っこされてる時と、私に抱っこされてる時では機嫌の良さが違う。
明確に言うと、お義父様に抱っこされてる時は『キャッキャッ』と笑っており、私が奪い返すと笑顔が消え軽く頬を膨らませる。
だからこの男に愛娘を近付けたくなかったのだ!
女なら、ヘソの緒が付いてる状態の女から、老衰で天に召される直前の女まで誑し込む男。
それも無意識で行う。
それがこのリュケイロム・グランバニアという男なのだ!
「あの、そろそろアミーの食事時間なので出て行ってもらえますか。母乳を与えるので……」
「あははははっ、相変わらずアルルは嘘が下手だなぁ。オッパイは先刻与えた直後だろ? オッパイも張ってないし、揉んだ時も簡単に出なかった」
くっ! 下手に子育て経験があるから、取って付けた嘘じゃ通用しないわ。あの野郎……簡単に言質とらせやがって。
そんなタイミングに……
「ただいまっ!! あ、やっぱりここに居やがった!」
何時もよりも早い時間に、突如として夫が帰って来た。
何やら手には黒い布が……女性の下着か?
「あれぇ、なに早引きしてんだお前?」
「うるさい。主犯が居ないから不思議に思い、早めに帰って来たんだ! 勝手に家に来るな!」
お義父様の主張だと、アナタが行って良いと言ったらしいけども?
「お前言ったじゃん。『アミーに興味があるのなら我が家に行け』って」
「そんな事、言って無い!」
主張の食い違い……
「言ったよぉ『
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