聖母たちの子守歌
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トした瞬間だったんだ。
そして予定通り言質を取った。
だから慌ててプライベートエリアに行ったんだ。
声には出してないが、俺の顔もニヤけてるだろう。
だがティミーさんに説教されている他の連中とは笑いの意味が違う。
ウルフSIDE END
(グランバニア城・プライベートエリア・ティミー宅)
アルルSIDE
愛娘にお乳を与え、残った母乳を搾乳機で絞り終えた頃、我が家の玄関をノックする音が聞こえた。
ティミーが帰って来たのかしら……と一瞬思ったが、わざわざノックする意味も無いし、何より反応を待つ必要も無い。なんせここは彼の家なのだから、サッサと入ってくれば良いだけ。
凄く嫌な予感がするが、居留守も出来ない。
一応だがこの国の王太子夫妻の自宅。
門前に警備兵が居り、留守か否かの確認は出来てしまう。
もうほぼ私の予感は確定なのだが、渋々そして嫌々で玄関を開けてみる。
「こんにちわ〜。アミー、元気にしてたぁ?」
予感は的中した、と言うより外しようがなかった。
「お、お義父様……どうしてここに!?」
「うん。息子がね『そんなにアミー……(ゴニョゴニョ)に興味があるのなら、今すぐ我が家に行ってみるといい』って言ったからさぁ。僕ぅ興味津々だしぃ!」
「あの野郎、裏切りやがったな!?」
「“裏切り”?」
小声だが思わず叫んでしまう。
私の言葉に不思議そうに首を傾げるお義父様……だが何時も通り、自然に優雅にそして格好良く私の腕から愛娘を受け取る(受け渡した記憶は無いけど)と、我が家のリビングまで入って来た。
「あのお義父様……勝手な事をされると、ホントに冗談では無くマジで非常に困ります」
私はそう言ってアミーを奪還する。勿論、私もお義父様も人間の赤ちゃんを奪い合ってるので、奪われる際に無理な抵抗はしない。一旦奪わせて再度奪還した方が娘が怪我をする心配が減るからだ。
「あはははっ、言葉にしつこいほどのトゲがある(笑)」
私のクレームを一切意に返さず、またもやアミーを奪われた。
本当コイツ何しに来たの?
私達は数度、嫌味を言いながら(嫌味は一方的に私からだが)アミーを奪い合っていた。
そして腹立つ事に、お義父様が私から娘を奪う際、彼の手が私の胸に当たるのだ。勿論、アミーを怪我させない様にしてる為、ワザとでは無い事は解っている……が、それでも腹は立つ。
「あのお義父様……先程からお義父様の手が私の胸に当たってるんですが! 息子の嫁に手を出すのは如何なものかと……」
奪われる事数度目……アプローチを変える為に無駄と承知でお義父様に痴漢行為として指摘する。
「……
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