暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
聖母たちの子守歌
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
トした瞬間だったんだ。

そして予定通り言質を取った。
だから慌ててプライベートエリアに行ったんだ。
声には出してないが、俺の顔もニヤけてるだろう。

だがティミーさんに説教されている他の連中とは笑いの意味が違う。

ウルフSIDE END



(グランバニア城・プライベートエリア・ティミー宅)
アルルSIDE

愛娘(アミー)にお乳を与え、残った母乳を搾乳機で絞り終えた頃、我が家の玄関をノックする音が聞こえた。
ティミーが帰って来たのかしら……と一瞬思ったが、わざわざノックする意味も無いし、何より反応を待つ必要も無い。なんせここは彼の家なのだから、サッサと入ってくれば良いだけ。

凄く嫌な予感がするが、居留守も出来ない。
一応だがこの国の王太子夫妻の自宅。
門前に警備兵が居り、留守か否かの確認は出来てしまう。

もうほぼ私の予感は確定なのだが、渋々そして嫌々で玄関を開けてみる。
「こんにちわ〜。アミー、元気にしてたぁ?」
予感は的中した、と言うより外しようがなかった。

「お、お義父様……どうしてここに!?」
「うん。息子(ティミー)がね『そんなにアミー……(ゴニョゴニョ)に興味があるのなら、今すぐ我が家に行ってみるといい』って言ったからさぁ。僕ぅ興味津々だしぃ!」

「あの野郎、裏切りやがったな!?」
「“裏切り”?」
小声だが思わず叫んでしまう。

私の言葉に不思議そうに首を傾げるお義父様(リュカさん)……だが何時も通り、自然に優雅にそして格好良く私の腕から愛娘(アミー)を受け取る(受け渡した記憶は無いけど)と、我が家のリビングまで入って来た。

「あのお義父様……勝手な事をされると、ホントに冗談では無くマジで非常に困ります」
私はそう言ってアミーを奪還する。勿論、私もお義父様(リュカさん)も人間の赤ちゃんを奪い合ってるので、奪われる際に無理な抵抗はしない。一旦奪わせて再度奪還した方が娘が怪我をする心配が減るからだ。

「あはははっ、言葉にしつこいほどのトゲがある(笑)」
私のクレームを一切意に返さず、またもやアミーを奪われた。
本当コイツ何しに来たの?

私達は数度、嫌味を言いながら(嫌味は一方的に私からだが)アミーを奪い合っていた。
そして腹立つ事に、お義父様(リュカさん)が私から娘を奪う際、彼の手が私の胸に当たるのだ。勿論、アミーを怪我させない様にしてる為、ワザとでは無い事は解っている……が、それでも腹は立つ。

「あのお義父様……先程からお義父様の手が私の胸に当たってるんですが! 息子の嫁に手を出すのは如何なものかと……」
奪われる事数度目……アプローチを変える為に無駄と承知でお義父様(リュカさん)に痴漢行為として指摘する。

「……
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ