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リュカ伝の外伝
聖母たちの子守歌
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せる。

「……………」
「や、やっぱりぃ……ア、アミーちゃんのオムツが良いのかなぁ?」
リュリュさんが唯一賭けに勝つプロセス……言動を導く事だ。

だが、アレじゃぁダメだろう。
なによりリュカさんは、既に策を張り巡らせ終わってる。
リュリュさんは勿論、勝手に付いてきたギャラリーも気付いて無いだろう。

リュカさんは彼女にワザと執務室のドアノブを少し回させ、中の人物(ティミーさん)に気付かせた。そして今回の賭け等の事を部屋の前で話し、中の人物(ティミーさん)に聞かせた。

一般人であれば、扉が閉まっている状態での外の音(逆も然り)は聞こえない。流石に政治の中枢なので、盗み聞きをされては困るからね。だが中の人物(ティミーさん)は勇者として名を馳せた一流の冒険者だ。

防音設備がそこそこあっても、ドアノブの回される音は聞こえるだろうし、ドアノブが動いたのに入室してくる気配がしなければ、神経を集中して室外の音や声を聞きのがなさい様になるだろう。それが出来なければ、物陰に隠れる敵からの不意打ちに為す術無く散っていただろうから。

「そんなにアミーのオムツに興味があるのなら、今すぐ我が家に行ってみるといい。今頃、お前のパンツの温もり以上のアレが満載だ。僕にはゴミだが、興味のある者にはお宝なんだろ?」
「わ、私にだってゴミよ!」

「そんな事より、このおふざけを裏で仕組んでる扉の向こうの馬鹿者共……入って来なさい!」
「あれぇ、バレてました?」
俺はティミーさんの軽い怒号に、ワザとらしく頭を掻きながら部屋へと入る。

俺の後には、興味本位で見物してたギャラリー群も入って来た。
「あれ、主犯格(父さん)は?」
今回の件に面白半分で首を突っ込んだ物を前に、ティミーさんが疑問を言った。俺も慌ててギャラリー群を見る。

「あれ、本当だ!? あのオッサン、何所行きやがった?」
気付けば一人だけ居ない。
今回の件の中心人物なのに……

「陛下なら、殿下が『入ってこい』って言われる前に、居なくなってましたわよ」
「止めろよ、基本的に中心人物なんだから」
ジョディーの報告に呆れながら注意する。

「何所に行ったか分かる者は?」
「……ど、何処かまでは分かりかねますが、プライベートエリアの方へと早足に向かったのを自分は見ました!」
警備兵の一人の目撃報告。

「相変わらず狡賢いな」
「まぁ陛下ですから(笑)」
また別の兵士からの一言で、その場に笑いが起きた……まぁただ、ティミーさんと俺は笑ってないけど。

俺にもやっと理解出来た。
圧倒的に有利にも関わらず、リュカさんが『ふむ……』等と言って賭けに躊躇した理由が。
いや躊躇したのでは無いな……ティミーさんから言質を取れるか、頭の中でシミュレー
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