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水の国の王は転生者
第七十九話 地下神殿の死闘・前編
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『クケッ』

 ご主人様のお願いに、フレールは『仕方ねえな』と鳴いた。

 ……

 下方のミシェル達とマンティコア隊は、巨大スライムと戦闘を開始していた。

「奴には魔法が効くぞ! マンティコア隊攻撃開始!」

 ごつい体躯と厳めしい髭面の男、マンティコア隊隊長のド・ゼッサールが隊員達に攻撃を命じた。

 神殿の周辺に散らばったマンティコア隊が、破壊した桟橋にへばり付いているスライム目掛けて魔法を放った。

『ファイア・ボール!』

『フレイム・ボール!』

 ファイア・ボールにフレイム・ボールなどの多種多様な魔法の集中砲火を受けたスライムは、粘液を撒き散らしながら再び奈落へと落ちていった。

「やった!」

「マンティコア隊万歳!」

「トリステイン王国万歳!」

「万歳!」

「万歳!」

 マンティコア隊の隊員が勝利を確信して勝ち鬨を上げる。

 だが、マクシミリアンはこの手の化け物が、この程度で終わらない事を経験で知っていた。

『勝ち鬨は早い! この程度で終わるようなら、先人達は数千年も戦い続けていないぞ!』

 『拡声』の魔法で、周囲を警告すると、フレールの羽をノックするように叩いた。

「鳥公、お前の電撃を奈落へ向けて撃て」

『クェ?』

「フレールお願い、マクシミリアンさまの言うとおりにして」

 カトレアの願いを聞いたフレールは、翼を靡かせるとそのまま急行下を始め、猛烈な電撃を奈落へ向けて放った。

「きゃあ!」

「なんなの!?」

 桟橋付近に居たアンリエッタとルイズは、フレールの放った電撃の閃光に絶えられず目を瞑ってしまった。

 奈落の、ある程度底の箇所に電撃が走り、電撃の閃光で未だ奈落の底に留まる巨大スライムの姿を見せた。

『まだ敵は留まっているぞ、攻撃の手を緩めるな!』

 マクシミリアンの『拡声』が神殿内に響き、アニエスやミシェル、他の面々もスライムに対し攻撃を加えた。

『ファイア・ボール!』

 ミシェルはレイピア状の杖を操りファイア・ボールを繰り出す。

 スライムに直撃したファイア・ボールは、小爆発を起こしスライムの表面を吹き飛ばした。
 表面を吹き飛ばされたスライムは、触手をミシェルに向けて放った。

「危ない!」

「うぇ!?」

 後方支援をしていたアニエスはG3突撃ライフルで、ミシェルへ襲い掛かる触手を撃ち落す。

「ありがとう助かった」

「いえ、まだ来ますよ!」

「おっと」

 ミシェルは再びファイア・ボールで迫る触手を吹き飛ばした。

「アニエス大丈夫!?」

「アンリエッタ様、お下がり下さい」

 アニエスは駆け寄ろうとするアンリエ
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