暁 〜小説投稿サイト〜
不可能男との約束
始業式を告げる鐘
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ルアマゾネス先生を警戒したらしく、正面玄関を慌てて閉じて鍵をかけたらしい。
うん、賢明な判断ですねと思ってたら、先生は何と私達を突撃要員に加えるつもりらしい。

……そんな! 現代に蘇った野性の本能の塊である先生に付いて行けだなんて……!

とてもじゃないが現代人である自分には不可能な所業である。
だけど、周りの人間は外道が行き過ぎた元人間の集まりだから意外と大丈夫かもしれないと思うのは、私が間違っているのでしょうかとどうでもいいことを考えていると。

「───あれ? おいおいおいおい、皆、何やってんの?」

聞き覚えしかない声が聞こえた。
振り返るとそこには能天気と言ったら悪いかもしれないが、それでもにへらと笑った顔が印象である葵・トーリ君がそこにいた。
武蔵アリアダスト教導院の総長兼生徒会長で一応権限的なもので言えば、ヨシナオ王を除いたら最上位の位なんですけど……本人は身体能力はおろか頭も良くない。

だから、聖連から総長兼生徒会長に選ばれることを許されたんでしょうけど……。

その事に付いては言いたいことがあるけど、言っても仕方がないので皆も何も言わないことにしている。
だから、付けられた字名が不可能男(インポッシブル)
何も出来ない人間という侮蔑の意味なんだろうと思うし、感情とは別の部分もそうなんだろうなと思ってしまうのが少々以上に腹立たしく感じてしまう。
だけど、それとは別に感情もそうだと告げてしまう部分がある。
それは

……何でこの人は朝っぱらからエロゲを広げて嬉しそうに語っているんですか……!

周りの人間も半目で彼を見ているのが解るし、先生がもうキレかけているというのが感覚的に解ってしまう。
これは駄目ですねとありとあらゆる意味でそう思いながら、ふとトーリ君が周りを見回して、そして私達に呟く。

「あれ? シュウの奴はどこなんだ? せっかくあいつにこのエロゲを自慢してやろうと思ったのに……!」

「後半部分は無視しますけど、トーリ君も知らないんですか?」

代表して、トーリ君に聞くと、首を縦に振った。
皆もふぅんと言う顔になる。
てっきり、トーリ君と一緒にいるのかと思っていたと思っていたんですけど……何処に行ったんでしょうね? と浅間は思う。
案外、マジで病気なのかと思ったけど、馬鹿は風邪を引かないはずという目の前の実証論を見ながら、浅間はううむと考える。
すると

「───♪」

「な、何ですか……! この地獄から響くような呪いの音は……!」

「……現実から目を逸らしたいのならば言わなくてもいい」

すると近くの無愛想少年のノリキ君がツッこんできた。

……ええ、解ってますとも。

解りたくない理解でしたけど、解ってしまうのは付き合いの長さ
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