六十一 外待雨が止む時
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場を後にする。
雨を上がらせた真意を巧妙に隠して。
デイダラとサソリを殺した角都を始末したナルトが、先んじて報告を行ったゼツの後からわざわざ雨隠れの里へ赴いてきた。
迎えた彼は、今し方立ち去ったナルトが消えた方角を、眼を透かして見つめていた。
僅かに降られたナルトの白衣に散る雨粒が銀色に輝く。
斜め後ろから垣間見える項の白さが雨上がりの空の下、眩しかった。
ナルトに続くようにして、仮面の男も立ち去り、この場には彼と小南しか残されていない。
いや、久方ぶりの青空を暫し堪能していた彼に、そっと近づく者がいた。
「新たなメンバーも増えたことですし、そう気落ちするものでもないでしょう」
仮面の男と同じことを口にするカブトを、彼は──長門は胡乱な目つきで見遣る。
元の鞘に納まったカブトへの不信感ではない。
仮面の男がやけに推薦してくる新たな戦力に関して、長門は再び懸念を口にした。
「お前が連れてきた、あのうちはサスケ…本当に役に立つのか」
「あの大蛇丸様…いや、大蛇丸を上回った逸材であることは間違いないでしょう…ただ、」
「ただ?」
一瞬逡巡するも、カブトは長門にきっぱりと言い切った。
「ナルトくんには会わせないほうがいいですね」
「何故だ」
その疑問の答えを持ち合わせているにもかかわらず、長門はあえてカブトへ問うた。
「彼はナルトくんを恨んでいますから」
「イタチの件か」
「はい」
『暁』を裏切ったイタチを消したのはナルトだ。
故に、イタチの弟であるサスケがナルトを憎むのは道理。
頷いた長門に、カブトは言葉を続けた。
「ですから会わせるのは得策ではないかと」
「確かに…既に戦力が削られている今、これ以上の内部分裂は避けたい」
デイダラ・サソリ・角都と三人失った今、新たな人材は貴重だ。
今しがた、雨をあがらせた天道が向かった保管庫。そちらへ視線をやりながら、長門は案を口にした。
「ならば八尾の件が片付いたら、うちはサスケには塔の警備にでもあたらせるか」
ペイン六道は基本的に一体のみが行動しており、残りは塔の隠し部屋のカプセルの中で眠っている。
そのカプセルを守る役割をサスケに宛がうことでナルトとの接触を避けられるだろう。
ペイン六道の秘密保持の為、塔を警備してもらうか、と思案する長門へ、カブトは「しかし、」と自ら志願した。
「サスケくんが八尾に殺されては元も子もありませんよ。微力ながら医療忍者である僕も加勢に…」
「カブト。貴方には長門の衰弱した身体のメンテナンスをお願いしてる。貴方が抜
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