第十一章『幻想の日常』
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ドゴッ!
「ふぎゃ!」
強烈な痛みと共に目覚めた。
頬を摩りながら体を起こし、寝ぼけ眼で攻撃が来た方を見ると、腹を出し布団を蹴とばして幸せそうな顔をして輝の隣で寝ている萃香がいた。
「・・・・・・」
輝は寝ぼけている頭を急いで覚まさせて、思考を走らせた。
この部屋は相部屋だと事は霊夢から聞かされているから一緒の部屋に居ることは分かっている。では何故、一緒の布団にいるのかが分からない。
昨日は紫から武器を貰い、そのあとも続きそうな宴会に輝は眠いから寝ると風だか零のどちらかに告げ、一人で部屋に戻り、霊夢から借りた寝巻き(大河ドラマで見る白い着物〔客人用〕)に着替えて眠りについた。
以上が眠りにつくまでの行動。
「・・・・・・・・・・・・・・」
もう一度、萃香の方を見る。
相変わらず幸せそうな顔をして寝息を立てている。
「エヘヘヘ〜アキ〜〜〜そんらのらめぇ〜〜・・・・ムニャムニャ」
一体どんな夢を見ているのか輝の名前を呼ぶ鬼。寝言もアッチ系だし。考えたくもない。
仮説を立てると、萃香も眠くなり部屋に戻ると、既に布団を敷いて寝ている輝がいて、自分で出すのが面倒だと考えた萃香は輝の布団に潜り眠りについた。
この仮説が一番しっくり来る。たぶんこれだ。絶対そうだ。間違いなくこれだ。何と言われ様ともこれに違いない。そうと願っている。
ふと、時計に眼をやる。
九時五十六分
十時近くまで寝てしまった。
萃香に布団をかけ、私服に着替えて居間へと向かった。
居間には霊夢一人しか居ない。他の二人はまだ寝ているのかそれとも出かけているか。
「おはようございます」
「おはよう。やっと起きたのね。あんたで最後よ」
「いやはやすいません。こんなに寝てしまって」
「謝らなくていいわよ。昨日は良く働いてくれたし。てか、頭爆発しているじゃない」
「大丈夫です。後でカチューシャしますんで」
「ならいいわ。朝ご飯食べる?」
「はい、お願いします」
霊夢は立ち上がり台所の方へ行った。
朝ご飯を待ちながら二人のことを考えた。
霊夢が『あんたが最後よ』と言う事は、既に二人は起床し朝食を済ませ、出かけている事になる。
大方探検にでも行ったに違いない。二人とも幻想郷に落とされて喜んでいたし。
「はい。お待ちどうさま」
「ありがとございます。でわ、いただきます」
霊夢が作ってくれたのは白ご飯・味噌汁・アジの塩焼き・沢庵といった日本の和を代表する料理が並べられた。
現代っ子の輝には何とも新鮮な朝食だろう。きっと風たちも同じ気持ちをしたに違いない。
「霊夢さん。あの二人は?」
「あいつらならどっか広い場所を見つけ
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