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世にも不幸な物語
第十一章『幻想の日常』
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り掛った人もこの光景を見て驚いている。
 数分後、壁の修復は完了した。
「これで修理は完了しました」
「いや〜助かるわ〜。これ、ほんの少しだけど受け取って」
 渡してきたのはお団子4〜5本とお金だ。
「え、こんなに?」
「いいのよ、受け取って」
 断ればその親切心をけなしていることになる。輝は戸惑いながらもおばちゃんのお礼を受け取った。
「おーい兄ちゃん、もし良かったら俺んちも頼むわ。礼なら弾むぜ」
「おいおい、抜け駆けは無しだぜ。こいつより俺んとこ頼むよ」
「へ?」
「あんたらだけズルイわ。あたしもお願いしたいのに」
 その後も次から次へと輝に頼みたい人達の声が飛び交い。その日は里中を歩き回った。









 太陽が地平線に隠れ空が夕日の朱に染まり始めた頃。
「遅い!いつまで掛かってんのよ!!」
 霊夢はまだ買い物から帰ってこない輝に腹を立てていた。
「霊夢落ち着け。道に迷っているだけかもしんねぇだろ」
「里まで行く道は単純で分かりやすいから迷うわけ無いでしょうが!」
 輝のせいで風たちのも怒りの矛先が向けられている。
「もしかして、妖怪に喰われてたりして?」
 冗談に聞こえないことを軽く言う。
「いや〜流石にねぇよ」
「ありえるかも」
 霊夢の言葉に嫌な汗がじわりと出で来る。
「か、軽い冗談だぜ。そんな真に受けなくても・・・・」
「それに輝は妖怪に詳しいからそんなことは」
「読んで知っていても実際に見るのとでは訳が違うわ」
 不穏な空気が部屋を包んでいく。
 完全に包み込まれようとした時
「ただいま帰りました〜」
 玄関から何故だか疲れきった声を出している輝が帰ってきた。
 輝の声を聞いて皆安堵した。が、直ぐに霊夢はさっきまでの怒りをぶつけた。
「輝ッ!!たかが買い物で何時間掛かってんのよ!!」
「ちょ、ちょっとまってください。いまそっちにいきますから」
 そう言って輝はゴトゴトと物音と立てながら霊夢たちがいる居間に向かった。
「言い訳ならきかない・・・・」
 霊夢の言葉が途絶え呆気に取られていた。その場にいる風や零も呆気に取られている。
 帰って来た輝は大量の荷物を屍と一緒に運んでいたからだ。
「あぁ〜〜疲れた。みんなもありがと。もう還っていいから」
「輝その荷物・・・・」
「ああ、里で家の修理やら色々とやったら皆さんがお礼にってくれたんですよ」
「お前すげぇな」
「俺はなんもしてないよ。してくれたのは屍たち」
「なに貰ったんだよ。こんなに」
「えっと、食い物に着物。いつまでも同じ服着るのもアレだろ?丁度三人分あるし」
「お、マジか。そいつはありがたい」
「それに赤褌も貰ったんだ」
「「ゑ?」」
「綺麗に洗っているから安心しろってい
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