アインクラッド編
皿洗いと町開き
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葉を聞くまでもなく、3人は一瞬で完食した。
「どうも、ご馳走様でした」
「また来てねー。イケメン君と可愛いお嬢さんならいつでも大歓迎だよー」
最後までろくに会話に参加しなかったクラインを引っ張りながらキリトとアスカは店を出る。
しばらくして、
「くそっ! あの美人さんとフレンド登録すればよかったぜ!!」
「ラグってたくせによく言うよ」
と、復活したクラインの悔恨の叫びを軽くあしらいながらさらに大通りを進んでいく。
気になる店を覗き込みながら歩くこと数分、大通りの中央の円形に広がる広場にたどり着いた。
更に一段階熱気が籠もっている気がする。広場を取り囲むように寄せ集まっている人々からの歓声が身を叩く。
その理由は直ぐに分かった。
広場中央から聞こえるのは金属同士がぶつかり合う甲高い衝撃音。
様々な色のライトエフェクトが輝いている。
「おおっ!模擬戦やってるみてえだな!」
クラインが少しだけテンションを上げている。
かくいうキリトも少しだけ興味がそそられている。
模擬戦とは圏内で行う戦闘のことだ。
圏内ではいかなる手段を用いてもHPが減少することがないので、主に訓練のために行われるが、このようなお祭りではショーとして開催されることもある。
どうやらタッグ戦のようで、4人が広場中央でソードスキルを連発している。
しかし、片方のペアの力量が明らかに下だ。キリトの予想通り、十数秒後には広場中央からそのペアが弾き飛ばされる。
勝った2人の横に司会役の男が飛び出してきて叫ぶ。
「さー! 次の挑戦者はいないかー! 男女ペアによるタッグ戦、見事10連勝したペアには豪華賞品をプレゼント!! 男性プレイヤーにはアインクラッド1の裁縫師アシュレイさんお手製のダークコート! 女性プレイヤーには最高級の調理器具セット!!」
豪華賞品の中身を聞いてキリトとアスカが大きく反応する。
お互いの視線が交錯する。
キリトの狙いはコート。アスカはおそらく調理器具が目当てだろう。
それだけで意思疎通は完了した。
アスカが細剣を取り出し、キリトも同じように片手剣をオブジェクト化。
「おい、まさかおめえら参加するつもりか?」
後ろに立っていたクラインが恐る恐る訊ねてくる。
「ああ。デュエル形式じゃなくて、ただ広場中央から相手を弾き飛ばしたら勝ちみたいだからウィナー表示で名前がばれる心配もないし、大丈夫だろ」
「いや、でもよぅ・・・・」
「それに、わたしとアスカなら10連勝くらい余裕だろ」
「そういう問題じゃあないだろ・・・・・」
呆れた様子のクラインを放っておいてキリトとアスカは広場中央へと足を進めた。
それから10回ほど広場中央から凄い勢いで吹き飛ぶ人影
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