いらない
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辺に桜の形をしたバリアを張り、周囲の人々の被弾を防いだ。
代わりに、自らの防御が疎かになる。反射された雷、そして直接友奈を狙った雷。
二つは友奈の体の各所を貫通し、焼き焦がす。
「ぐっ!」
痛みに顔を歪め、バリアが消える。
「逃げて! ……皆!」
友奈の声に、人々は蜘蛛を散らすように逃げていく。
「どいつもこいつも自分よりも人をと……」
トレギアは顎を掻きむしりながら、友奈を見下ろす。
「イライラする……!」
そして、トレギアは友奈へ急降下してきた。
友奈は身構え、前に踏み出す。腰の入ったパンチでトレギアを迎え撃つ。
だが、トレギアはストレートの友奈の拳を掻い潜り、その首を掴み、上空へ連れて行った。
「しまっ……!」
「前の時にも分かっていただろう? 君とランサーの二人がかりでも、私には勝てないと」
友奈はバタバタと蹴って抵抗する。
だが体格差から、友奈の蹴りはトレギアに届かない。
さらに、トレギアは友奈を締め上げるのは右手だけで、左手から蒼い雷撃が放たれた。
「ぐあああああああっ!」
至近距離からの雷撃が、友奈の全身から火花を散らす。
ようやく、雷撃が収まった。
友奈の全身を焼き焦がすトレギアの腕を再び掴み、引き離させようとする。だが、またすさかずトレギアはほぼゼロ距離の雷撃を友奈の全身に浴びせ、友奈の体は今度こそ力が抜けた。
「あっ……!」
「終わりだ。セイヴァー……」
そして、トレギアはゆっくりと右手を離す。
重力に捕らわれ、友奈の体が落下していく。さらに、追撃として放たれるトレラアルティガイザーが、友奈を地面に加速していく。
「ぐっ……あああああああああっ!」
友奈は発破をかけ、落ちながらも両腕を突き出す。より大きく張られた桃色の防壁。だがそれでも、トレラアルティガイザーの威力は絶大。桃色の防壁を越えて、友奈に与えられるダメージは大きかった。
そのまま、強い勢いで地面に激突した友奈。その体は隕石のように加速し、山の斜面にクレーターを刻み込んだ。
「あがっ……!」
友奈の纏う勇者システムごと、その体内器官に衝撃を与えたそれは、友奈の変身を解除させ、動きさえ難しくなっていった。
牛鬼も友奈の隣で横たわっており、全身をべったりと地面に投げ出していた。
「牛鬼……!」
体を動かすだけでも痛い。
そして頭上では、すでに二度目のトレラアルティガイザーの発射準備を整えたトレギア。生身の友奈がそれを受ければ、間違いなく命はない。
そして。
「________」
突如、上空より響いてくる龍の咆哮。
同時に、赤い影が、友奈の盾となり、トレラアルティガイザーを受
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