東條希が大阪弁な理由
[2/8]
[1]次 [9]前 最後 最初
の写真もしっかり考えて撮ったんだから! 例えばこの写真とかこの角度で飛行機と手前の……」
そんな感じである程度喋った後でハッとする。いきなり喋りすぎた。写真の話なんて同年代の人とした事なかったからついテンションが上がっちゃったみたい。いけないいけない。少し恥ずかしくなり黙ってしまう。
「……どしたん? いきなり静かになってもうて」
「いや……いきなり喋りすぎたかなって……」
「んなこと気にせん気にせん! 大丈夫や! むしろめっちゃ生き生きしててよかったで!!」
「そ……そうかな……」
いきなり褒められ照れる。最初はいきなり変な人に絡まれた! と思ったけど結構いい人なのかも。
「そういやまだ名乗ってなかったな! ワイは喜楽 秀介 ! キミは?」
「と、東條希……です……」
「希ちゃんか! よろしくな!」
「よ、よろしく……」
「ってああ!! もうこんな時間やん! じゃあ続きはまた明日な! またここで会おうな〜〜!!!」
ぴゅ〜〜ん!
そうして彼は元来た方向に走って帰っていった。なんだったんだろう。嵐のように来て嵐のように去っていったなぁ。でもまぁ、楽しかったかな……写真の話なんてパパとしかした事なかったし……
「また明日、か……」
喜楽くんが帰って行った方向を眺めながら呟く。明日もここに来たら会えるって事なのかな?
そこまで考えてハッとする。友達なんて作ったらダメなんだった! どうせ後に待ってるのは別れと悲しみだけ。今までもそうしてきたでしょ? そう言い聞かせその日は家に帰った。
次の日。いつも通りカメラを持って良い風景を探し歩く。昨日の約束の事は覚えていたけど行くつもりはなかった。行ってしまえばそのまま仲良くなってしまいそうだったからだ。友達なんて作らないんだから。
良い風景を探して歩く。歩く。
『おぉーーなかなかやるやん!!』
『めっちゃ生き生きしててよかったで!!』
昨日の出来事が頭の中をちらつく。うるさい! 昨日のとこには行かないんだから!
「あ、希ちゃ〜〜ん! お〜〜〜い」
気がつくと私は昨日の河原にいた。無意識に来てしまったのか偶然たどり着いてしまったのかはわからない。けど、ここまで来ていきなり帰るのもアレだし今日は仕方ないという事にして喜楽くんのとこに行く。
「実はワイもカメラ持っててな……今日は写真持ってきたで! ほら見て見て!」
そう言うと喜楽くんは鞄から沢山の写真を取り出した。
「わぁぁぁ……!! 凄い!! この写真とかこの色合いが……」
「やろ? これな、結構撮るの大変やっ
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ