可能性
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ナザーアギトのバランスを崩し、何度もその体でアナザーアギトの体を切り裂いていく。
「ぐおおおっ!」
アナザーアギトの悲鳴、その直上より黄色の光線を放つ。
そのまま切り裂かれ、地面に落下、大きな土煙を舞い上げたアナザーアギト。
アンチは助けに行こうとするが、その前にトレギアが立ちはだかった。
「っ!」
「おいおい。そんなに警戒しなくてもいいじゃないか。何も取って食おうというわけじゃないんだ。ムーンキャンサーを見つけたんだ。もうマスターのもとに戻ってもいいんじゃないか?」
「……っ!」
息を呑むアンチ。
トレギアの手が、徐々にアンチの顔に覆いかぶさろうとして迫る。逃げられないアンチは、ただトレギアの手に掴まれる時を待つしかない。
だが。
「とうっ!」
トレギアの背後から、緑のアサルトキックが襲い来る。
トレギアは蒼の閃光を鞭のように振るい、アサルトキックを振り落とす。
地面に落ちたアナザーアギトの胸を、トレギアは踏みつけた。
「はははっ! 終わりだ……」
「やめろおおおおおっ!」
だが、叫んだアンチがトレギアの腰にしがみつく。
紫の光とともに巨大な怪物となったアンチは、そのままアナザーアギトから退かせ、拳を振るった。
「おいおい……邪魔しないでくれよ、アンチ君」
「お前、なぜここに?」
「別に。私もムーンキャンサーを探すように命令されたんだよ。まあ、君が予想以上に役立たずだろうなとは思ったが」
トレギアは、即座にアンチへ蒼い雷光、トレラアルティガを放つ。その巨体に命中され、アンチの体が爆発。生身で投げ出されたアンチへ、トレギアはトドメを刺そうと蒼い闇を溢れ出させる。
だが、即座にアナザーアギトがその腕を掴み、上へ向けさせる。
暴発したトレラアルティガイザーは、そのまま上空に漂うムーンキャンサーに命中。その軟体を爆発させ、そのまま瓦礫の中へ落ちていった。
そのまま、アナザーアギトとトレギアは組み合う。
だが、怪鳥、ムーンキャンサーに続いて、トレギアとの戦闘。しかも、近接特化のアナザーアギトにとって、トレギアは難しい相手である。
体を反らしてアナザーアギトの回し蹴りを避けたところで、蒼い雷がアナザーアギトの体を貫く。
地面を引きづられたアナザーアギトは、アンチの前で動きを止めた。
「……君が、なぜムーンキャンサーを探していたのか、その理由を問いただすつもりはない」
アナザーアギトは、静かにアンチへ振り向いた。
立派にたなびいていた彼のマフラーもズタズタに引き裂かれており、あちらこちらも傷だらけである。彼はもう、立っていることすら難しいはずである。
だが、アナザーアギトはそれでも、アンチへ語ることを辞めなかった。
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