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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第116話:似て非なる者
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命を救ったのだ。
だがまだだ。まだ颯人には追撃するだけの余裕があり、ガリィにはそれに対処するだけの余裕はない。颯人はガリィを完全に破壊すべく引き金を引く。
その時、2人の間にいくつもの人影が飛び込んできた。人影は颯人が放った銃弾を己の体で受け止め、ガリィの代わりに地面に倒れ動かなくなる。
「何ッ!?」
颯人とガリィの間に割って入って来たのはメイジだった。琥珀色の仮面をしたメイジ数人が颯人の前に立ち塞がり、ガリィを彼の攻撃から守ったのだ。
その代償としてメイジ達は颯人の銃弾の前に倒れてしまったが。
「ジェネシス?」
「こいつら!」
突如現れたジェネシスの魔法使いに、颯人が仮面の奥で顔を顰める。その一方で、助けられた筈のガリィもまた忌々しそうに顔を顰めていた。
その表情だけで颯人には、キャロル達とジェネシスの関係が何となくだが見えてきた。両者は協力関係にはあるようだが、決して信頼がある訳ではない。どちらかと言えば、互いに相手の腹を探り合って隙あらば出し抜こうとしている感じなのが理解できた。
「折角助けてやったと言うのに、そんな顔はあんまりじゃないかしら?」
ガリィが倒れたメイジ達を睨んでいると、物陰からメデューサが姿を現した。既にメイジに変身している彼女は、声も雰囲気も颯人が知るメデューサと寸分違わない。
そんなメデューサに、ガリィは立ち上がりながら舌打ちした。
「チッ、恩着せがましい……」
「……ま、いいわ。それよりさっさと、仲間の後を追わなくていいの?」
「言われなくても分かってんだよ!」
一刻も早くこの場から離れたいのか、ガリィは助けられた事に対して礼も言わずにさっさとその場から離れていく。向かう先からは、響とミカが激しく戦闘をしているらしき音が聞こえてくる。
流石にミカとガリィ、2人を同時に相手するのは響には荷が重い。助けに向かいたい颯人だったが、メデューサは颯人が響の援護に向かう事を許しはしなかった。
「お前はここに居てもらう!」
放たれた無数の魔力球。颯人は自身に向かってくるそれを、撃ち落としつつ迎撃が間に合わないものは回避した。
「チッ! お前、本当にメデューサか!」
「どういう意味かしら?」
「そのまんまの意味だ! お前は確かに、フロンティアでファントムを生んだ後俺達の手で倒された筈だ! 一体誰だお前!」
話しながらも颯人はメデューサに向けて接近を試みる。見たところメデューサの今の武器は、以前と違い接近戦にはあまり向いていなさそうな杖。指輪を介さずに特定の攻撃魔法が放てるようだが、その反面接近戦で使えるような形状をしていない。以前に比べると魔法戦特化と言う印象だ。
接近さえしてしまえば、対処は楽なのでは
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