霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の十二
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ィフェンダーを振り下ろした体勢のまま、力尽きたようにそのまま倒れ伏して行く。
「ラオシャンロンが……帰って、行く……!?」
「や……やっ、た……!」
断末魔にも似た咆哮を上げたラオシャンロンが――踵を返したのは、その直後だった。
クサンテ・ユベルブをはじめとする、上位昇格を目前に控えていたハンター達は。下位という身でありながら、老山龍を「撃退」するという大快挙を果たしたのである。
城門に背を向け、苦悶の唸り声を響かせながら立ち去って行くラオシャンロン。その足踏みによる轟音は、徐々に遠いものとなって行った。
「へ、へへ……ざ、まぁ、見やがれッ……!」
しかし当然ながら、その勝利に沸き立てるような気力を残している者などこの場には1人もおらず。緊張の糸がようやく切れたハンター達は全員、クサンテと同様に倒れ伏していた。
撃退という結果である以上、剥ぎ取りも出来ない。ならば今だけでも、傷付き果てたこの体を休めるしかないだろう。
「みん、な……ありが、とう……!」
そう結論付けたクサンテ達は、指1本動かせないまま、深い眠りに沈んでいく。故に彼らは――目にすることがなかったのだ。
ラオシャンロンの撤退に呼応するかのように、この渓谷を包み込んでいた深い霧が晴れると。その霧に隠されていた紅い月が、妖しい輝きを放っていたのである。
その不気味な夜空に舞う「銀翼」こそが、老山龍やドスイーオスをこの渓谷に追いやっていた真の元凶であることなど、クサンテ達には知る由もないのであった――。
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