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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の十二
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の中でも一際攻撃が通りやすい箇所であるそこからは、鮮血が噴き出している。

「クウド様ッ!」
「ぐッ、ぅううッ……! ヴェラ、俺に構わず行けぇッ! クサンテ達を生かすためにも……攻撃の手を緩めるなァアッ!」
「……いいでしょう。ならば、この老山龍めには一際キツい毒で苦しんで頂きますわ。今の私は、ちょっとばかり不機嫌でしてよッ!」

 斧モードのポイゾナスベイルIをラオシャンロンの外殻に叩き付けていたクウドは――隣に居たヴェラを庇い、巨大な尻尾で跳ね飛ばされてしまった。
 そんな彼の言葉に背を押されたヴェラは――妖艶な貌に静かな殺意を纏い、ヴェノムウィングによる苛烈な乱舞を披露している。

「クウドがやられたッ……!? ええい、これ以上の犠牲は決して許さんッ! ジェーン、リリィベル! 奴の顔面に集中砲火だッ!」
「言われなくたって分かってるわよッ! ……キレてるのは、ヴェラだけじゃあないんだからァッ!」
「弾だってタダじゃないんだから……さっさとくたばりやがれってぇのぉおおぉッ!」

 鬼ヶ島、スティールアサルト、ボーンシューター。その3丁による一斉射撃で頭部を狙うアルター、ジェーン、リリィベルの3人は、クウドを倒された光景にさらなる憤怒を燃やしていた。

「サリア、皆……! 俺は必ず、生きて帰って見せるぞ! 炎王龍も……老山龍(コイツ)も倒してッ!」
「諦めへん……ウチ、絶対に諦めへんでッ! 見ててや、シン兄ッ!」
「これが最後の攻撃ですわ……! 皆様、出し惜しみは無しでしてよッ! 全ての弾を、矢を、刃を、使い尽くすのですッ!」

 デルフ=ダオラ、アルクセロI、カムラノ鉄弓。それらの得物でラオシャンロンの頭部を撃ち抜いていくソラン、イヴ、ブリュンヒルトの3人も、最後の攻勢に己の運命を委ねている。

「リルスの痛みッ……思い知りやがれぇえぇぇえッ!」

 そして、リルスの無念を背負ったバンホーのフレイムスロワーが、渾身の竜撃砲を解き放った時――力尽きたように倒れ伏した老山龍の頭が、クサンテの目の前に降りて来たのだった。

(デンホルム……そして、アダルバート様ッ! どうか、どうか今だけでも……この無謀で愚かな姫騎士に、皆を導ける力をッ! この龍を討てる、力をッ!)

 文字通り、身命を賭した最後の総攻撃。その限りを尽くしたハンター達に続き――デンホルムから託された、ディフェンダーを振り上げるクサンテは。

「……はぁあぁあぁあーッ!」

 必殺の信念を込めた、渾身の一閃を振るい。その巨大な刃を、老山龍の顔面に叩き込む。ディフェンダーの刀身がラオシャンロンの頭部に沈んだ瞬間、その切っ先が外殻の先にある肉へと到達した。

「あうッ……!」

 激しい血飛沫と巨龍の唸り声が上がり、クサンテはデ
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