霊峰編 決戦巨龍大渓谷リュドラキア 其の十二
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刀カカルクモナキIIを、相手の挙動に合わせたカウンターとして振るう必殺の剣技――「居合抜刀気刃斬り」。師であるヤクモすらも瞠目したというその技を放つ瞬間、笑顔を消した彼女の瞳はサファイアの色に輝いていた。
「あの勢い、まるで戦車ですねぇ……! よぉし! 私も同じ太刀使いとして、挑む気心で行かせてもらいます! ――みじん切りッ!」
そんな彼女の一閃に劣らぬ疾さで、カヅキもユクモノ太刀による気刃斬りを撃ち放っている。「みじん切り」……という覇気のない響きに反して、その鋭さはフィレットの剣技に迫る域に達していた。
「……父祖よ、ご嘱目あれッ! 雪の陰から祝福をッ! この私、エヴァンジェリーナは……グツァロヴァの血を穢しませぬッ! 独り生き残った臆病者でなく、私は古龍殺しの英雄となるのですッ!」
「俺は絶対に……カエデを超えて見せるッ! これから先、あれだけ実力が必要となると知った以上……この程度の修羅場、越えずにいられるかァアァッ!」
2人の斬撃によるダメージで、ラオシャンロンの頭部が降りて来た瞬間。その「急所」を狙い、怒号を上げてウォーメイスを振るうイーヴァに続き、ルドガーもレッドビートで老山龍の頭部を打ち抜いていく。
「ジュリィ、まだまだ行けるよねッ!? 最後にもう一度……私達の底力、見せ付けてやろうよッ!」
「最後だなんて、縁起でもないこと言うなッ! ……これからもずっと、あたし達の狩猟生活は続いて行く! 続けて見せる! これは、そのための……戦いでしょうがぁぁあッ!」
残された力を振り絞り、レックスディバイドIの属性解放斬りを放つエクサ。そんな彼女を襲う老山龍の爪先を大楯で凌いだジュリィは、ガトリングランスによる最後の突撃を敢行していた。
「エレオノールッ! 君が何と言おうと、その装備は君自身の努力によって勝ち得たものだ! それを私に証明して見せてくれ、今ここでッ!」
「……ッ! あぁ……証明して見せるとも! 篤と刮目せよ、ガレリアスッ! これがゼークト家に仕えしハンター……エレオノール・アネッテ・ハーグルンドの刃だぁああッ!」
ディアブルジートによる竜撃砲を見舞うガレリアスに続くように、エレオノールは渾身の「溜め斬り」で蒼剣ガノトトスを振り下ろしていた。この戦いを制することで、己の装備を心の底から誇るために。
「皆を守るための『力』は……俺1人じゃ届かないッ! ……ベンさん、同時攻撃お願いしますッ!」
「……おうよッ! ここはいっちょ、若人のためにも年季の重さってヤツを見せてやろうじゃあねぇかッ!」
鋸斬りヒ首【直参】による気刃斬りを放つヒスイと、里守用防衛鉄笛Iでの殴打を繰り出すベンは、同時に老山龍の腹部目掛けて渾身の一撃を放っていた。ラオシャンロンの各部位
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