第二章
[8]前話
「私そちらにも入ってね」
「それでなの」
「そこでも先輩と一緒にいるの」
「そうするのね」
「ええ、そうするわ」
こう言って実際にだった。
香里は居合部にも入った、そうしてだった。
部活はずっと真礼と共にいた、だが。
真礼はそんな彼女に自分から声をかけることはなかったが拒むこともなく後ろにいる彼女と共にだ。
店に行ったりした、それでだった。
ある日下校の時に二人の前にチーマー達が来て絡んでくるとだった。
「どいて」
「!?こいつ」
「強いか!?」
チーマー達は真礼の鋭い視線と威圧感に満ちた声でだった。
自分達からモーゼが海を割った様に道を開けた、真礼はその道を通りながら自分の後ろにいる香里に言った。
「行きましょう」
「は、はい」
香里も頷いてだった。
真礼の後ろについていった、この日から尚更香里は真礼の後ろについていく様になった。
そうして高校から大学に進みだ。
「今に至るんですよ」
「そんなことがあったんだ」
「はい、そうなんです」
香里は同僚の男性に話した。
「私にとっては頼りになって尊敬出来る」
「そんな先輩だね」
「そうなんです」
こう言うのだった。
「本当に」
「そうした人なんだね」
「ですから」
香里はさらに話した。
「これからもです」
「一緒にかな」
「先輩が断られないなら」
それならというのだ。
「これからもです」
「一緒にだね」
「いたいです」
「何か先輩というよりも」
ここで同僚はこう言った。
「姐御みたいだけれど」
「私にとって先輩はですか」
「そんな感じだけれどね」
「そうですね、私から見ますと」
香里も笑って否定しなかった。
「とはいってもそうは呼びませんが」
「これからもだね」
「先輩は私にとって尊敬すべき姐さんです」
こう言ってこの時からもだった。
香里は真礼を慕ってその後ろにいた、そして彼女を見習い手本として暮らしていった。
姐御OL 完
2022・6・23
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