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姐御OL
第一章

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                姐御OL
 八条百貨店大阪店で勤務している園田香里は先輩OLの山口真礼を慕っている、小柄で茶色がかった髪の毛をツインテールにしている大きな目と小さな口を持つやや丸顔の大学を卒業したばかりの新人である。
 真礼は黒髪を長く伸ばし眼鏡をかけた卵型の顔で背が高くスタイルがいい、香里とは正反対の外見である。
 いつも大人しく物静かな真礼の横に香里がいる、そんな風だが。
 ある同僚が香里に尋ねや。
「園田さんて山口さんの後輩だよね」
「はい、高校と大学がそうで」
「八条学園だったね」
「はいそうです」
「それでここでもだね」
「先輩と後輩です、ずっと同じ剣道部と居合部だったんですよ」
「えっ、山口さんもなんだ」
「はい、実はですね」 
 香里は同僚、三十前の彼に自分と真礼のことを話した。それは彼女が高校一年の時であった。
 剣道部に入部した香里は三年生の一人である真礼を見て友人達に言った。
「あの三年の人地味よね」
「そうよね、あまり強くない感じ?」
「無口だしね」
「存在感ないし」
「いるのって感じで」
「あまり強くないでしょうね、私の方が強い?」
 香里は笑って話した、中二で初段を取って剣道には自信があるのだ。
「あの先輩より」
「それ言ったら私もよ」
「あの先輩絶対に強くないわよ」
「三年生で一番弱いかも」
「そうかもね」
 こんなことを話していた、だが。
 そう思ったのは一瞬だった、練習の稽古でだった。
 香里も他の一年生達も真礼に打ちのめされた、特に高校生から許可される突きが恐ろしい威力を以ており。
 突かれると吹き飛ばされた、それでだった。
 香里は後ろに大きく吹き飛ばされた後で同級生達に話した。
「山口先輩滅茶苦茶強いわね」
「そうよね」
「特に突きが凄くて」
「速さも威力もあって」
「相当よ」
「三段でしかも全国大会にも出たっていうけれど」
 それはというのだ。
「もうね」
「それだけのものあるわね」
「本当にね」
「弱いと思っていたら」
「とんでもなく強いわね」
「しかも無言で何も言わないけれど」
 香里はさらに話した。
「姿勢よくて背中でね」
「語る感じよね」
「それでやることはやる」
「文句一つ言わないで」
「それがまたいいのよね」
「そうよね」
「山口先輩居合部にも入っておられるけれど」
 香里はこのことも話した。
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