暁 〜小説投稿サイト〜
トイレ掃除の人から聞いて
第二章

[8]前話
「そこが駄目になるんだ、それにね」
「それに?」
「それにといいますと」
「人に聞いても情報を集めるけれど」
 式守は会社の近くの食堂で一緒に食べながら自分に聞いてきている若手社員達にさらに話していった。
「一番大事なのはトイレ掃除の人だよ」
「清掃員ですか」
「その人達に聞くことですか」
「そのトイレを掃除する」
「その人から聞くことですね」
「そうだよ、トイレを掃除する中で色々会社のことを見て聞いてね」
 そうしてというのだ。
「その人達が元気なら会社の調子はよくてね」
「それが出るんですね」
「会社の調子がいいならトイレ掃除の人も元気が出る」
「調子がいいと空気もよくなりますしね」
「そうなりますね」
「そして会社の調子が悪いと」
 そうであるならというのだ。
「トイレ掃除の人も元気がなくなって」
「トイレも汚くなりますね」
「その分」
「そういうの出るんですね」
「うん、買い茶の調子がいいと話す口調も明るくて内容もいいものになって」
 トイレ掃除の話に聞いてもというのだ。
「悪いとね」
「暗くなって内容も悪いものになる」
「そうなんですね」
「だからですね」
「トイレ掃除の人とお話することですね」
「そうだよ、だから君達も相手の会社のことを知りたかったら」
「入り口やトイレを見て」
「トイレ掃除の人と話す」
「そうすることですね」
「僕はそうしているよ」
 自分の昼食のお好み焼き定食を食べつつだ、式守は若手の社員達に話した。彼等は式守のその話を聞いてだった。
 実際にそうしていった、するとだった。
 会社全体の業績がその分上がった、そして八条綜合警備の業績はさらに良くなった。見ればこの企業の入り口とトイレは奇麗でトイレの清掃員も元気で明るい口調だった。


トイレ掃除の人から聞いて   完


                   2022・6・19
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ