溢れる気持ち
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させて貰うぜ」
とこちらもすかさず悪戯っぽい笑みを浮かべてそう返す。
キリトは一瞬驚いた顔を浮かべるが、笑顔で「おう。」とだけ返す。
こうしているうちに朝食が出来上がったので素早くテーブルに運び、キリトと一緒に朝食を食べる。
「そういえばさ。」 「うん?どうした?」
パンを頬張りつつ、スクランブルエッグにがっつく姿は見ていてほほえましい。
俺はふと遠い目をしながら
「もうあれから一週間以上たつのか〜と思ってさ」
と呟いた。
キリトも俺の言いたいことを理解したのか、「あぁ。」と返してきた。
俺はあのすべての元凶ともいえる事件を思い出していた。
* * *
S i D E O u t
いざナーブギアを装着するにあたって不思議と緊張はあまりなかった。
とはいっても危険だからと幾つも安全確認は行なった。あとはなるようになれだ。
このゲーム、「ソードアートオンライン」の公式サービス開始時間が午後1時になっているのでサービスまであと10分ちょっとある。
今のうちにおさらいしておこうと思い、あの青年がくれたソフトの箱の中から取扱説明書を取り出しぱらぱらめくってみる。
「なになに、『このゲームはソードスキルという技があり、一般的には最初のモーションをあわせていくと後はシステム補正で技を繰り出せます』だって。後は・・・・」
っと、もう始まるじゃあねぇか。
俺は説明書を箱に直そうとすると、裏にメッセージが書かれていた。
ただシンプルな黒いインクで『少年ならきっと耀ける、ガンバレ!』と。
俺はおもわず頬が緩み、苦笑いしてしまった。
「買い被り過ぎだっての。」
思わずそう呟くと、急いで説明書を箱に直すとナーブギアをかぶった。
何もないことを祈りながら、俺は小さな声で
「リンクスタート!」
と呟いた。
簡単なアカウント登録を終え、俺有明刃ことZinは今「始まりの街」にいた。
率直な感想を言うと「すげぇ」のひとことである。
体にまるで違和感がなく手を開いたり閉じたりしているけれど、本当に仮想空間に来たのかが判らなくなるほどの出来だ。
俺はダイブするまで「すぐに飽きて辞めるだろう」思っていたが、どうやらすっかりハマってしまったみたいで、今は修学旅行のようにわくわくしている。
これなら危険(?)を犯しても沢山の人が来る筈である。
実際な所、このソフトを買うためだけに徹夜して店に並ぶなんてのはざらにあるらしい。
それを考えると俺はつくづくラッキーだと思う。
取り敢えず突っ立ってても始まらないので、商店街をみて回った後に、メインのソードスキルとやらを試しにいくように決めた
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