第二章
[8]前話
「そもそも何で秘密だったの?」
「秘密にすることか」
「皇室の人ならね」
魏のというのだ。
「隠すこともないのに」
「そう思うよね」
「ええ、訳わからないことだらけね」
「当時の魏の皇室はね」
「それじゃあ本当に皇室の人かもわからないわね」
「そう考える人絶対にいたから」
当時の魏でというのだ。
「魏の皇室への求心力凄い落ちたんだ」
「それで後で司馬氏に国を乗っ取られたのね」
「そうだよ、曹操さんのお家って元々評判悪かったし」
「曹操さんにカリスマがあっても」
「元々宦官の家で」
曹操の祖父がそうであったのだ、当時官僚達と対立し汚職と専横の様に思われていた彼等の家の出だったのだ。
「それで奥さんも身分に囚われないで」
「それはいいことでしょ」
「当時は奥さんもちゃんとした家でないと駄目だったんだ」
「そうだったの」
「そうした家だったからね」
「評判悪かったの」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「曹芳さんがそうした謎の生まれでね」
「余計に求心力がなくなったのね」
「だからね」
「司馬氏に乗っ取られてね」
「国がなくなったのね、しかし」
ここまで聞いてだ、紗理奈は言った。
「訳がわからないわね」
「曹芳さんのことは」
「何で出生が秘密だったか」
「僕も思うよ、おかしな話だよ」
「しかもそこから国が乗っ取られるから」
「本当に変なことだよ」
知樹は首を傾げさせるばかりだった、そしてそこからさらに話したがもう三国志の話ではなくてサークルの話になっていた。
魏の四代皇帝曹芳の出生のことは今もわかっていない、ただわかっていることは司馬氏に退位させられていること等だ。魏の皇室だったことすら本当ははっきりしない。三国志の中でも最大の謎の一つと言っていいがそれを言う者も少ない。彼は何者だったのかと。
誰の子供だったのか 完
2022・6・18
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