第一章
[2]次話
誰の子供だったのか
中国の三国時代に魏という国が存在した、あまりにも有名な曹操の建てた国であり三国の中で最も力が強かったが。
その四代皇帝である曹芳はというと。
「誰の子供なの」
「父親も母親もな」
大学生の徳間知樹は交際相手である野上紗理奈に話した、知樹は背は一七五位ですらりとしていて長方形の顔で大きなはっきりとした目でやや色黒で茶色にした髪をセットにしている。紗理奈は切れ長の垂れ目で顎の先が細く色白で細長い穏やかなカーブを描いている眉を持っている。黒髪をロングにしていて胸はかなり大きい。二人共今は所属しているテニスサークルの部室の中で向かい合って話をしている。
「わかってないんだよ」
「ええと」
紗理奈は考えながら言った、二人共大学生らしい服装だが紗理奈はミニスカートの下にスパッツを穿いている。
「曹叡さんの次の皇帝よね」
「そうだよ」
知樹はその通りだと答えた。
「第四代でね」
「丁度孔明さんの時代の後の人ね」
「孔明さんが亡くなって」
知樹は三国志のことからも話した。
「数年後八歳で皇帝に即位したんだ」
「曹叡さんの後で」
「そうだよ」
「じゃあ曹叡さんの子供じゃないの?」
紗理奈は首を傾げさせて言った。
「そうでしょ」
「いや、それがなんだよ」96
知樹は怪訝な顔になった紗理奈に話した。
「違うんだ」
「そうなの」
「養子にしたんだ」
その曹叡がというのだ。
「それでなんだ」
「跡継ぎにしたのね」
「どうも曹叡さん子供がいなくて」
「そうなのね、じゃあね」
紗理奈はまた首を傾げさせて話した。
「皇室の誰かを跡継ぎにしたら」
「それでいいよね」
「そうじゃないの?その人父親も母親もわかってないんでしょ」
「今もね」
「じゃあね」
それならと言うのだった。
「皇族かもね」
「はっきりしないね」
「そうならない?」
「実際そう思われていたかもね」
当時というのだ。
「どういう訳か誰の子か宮廷内の限られた人しか知らなかったみたいだよ」
「本当にはっきりしないの」
「一説には曹操さんの曾孫らしいけれどね」
「曾孫さんなの」
「曹操さんの息子の一人曹彰さんの孫だってね」
「言われてるの」
「けれどね」
それでもというのだ。
「確かなものはね」
「わかっていないのね」
「そうらしいよ」
「あのね」
考える顔になってだ、紗理奈は知樹に言った。
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