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Fate/WizarDragonknight
怪鳥の脅威
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 ハルトの前に、別の人影が割り込んできた。
 怪鳥の勢いを活かしたまま、投げ飛ばす。
 グエッと怪鳥に悲鳴を上げさせたその人物は。

「……さっきの医者?」

 昨夜からさきほどまでにかけて世話になった、あの医者である。
 サングラスを着けたままの彼は、静かに怪鳥を見つめる。そして、倒れたままのアンチや耳を抑える響を見渡した。
 そして、ウィザーソードガンが霧散させた、怪鳥の光線跡……光線によって切り裂かれた瓦礫を見下ろした。

「なるほど……」

 怪鳥が光線で切断した瓦礫を撫でながら、医者はサングラスを外した。

「ものの見事に切断されている。まるで超音波メスのようだ」
「超音波メス……? つまり、音ってこと……?」

 ならば、響が極端に怪鳥と相性が悪いのは、彼女の歌のエネルギーが乱されたということだろうか、とハルトは推測した。

「医療用の技術としても活用されているが、こんな攻撃を行える生物がいるとは驚いた」

 分析を終えた医者はそれだけで怪鳥へ視線を戻す。

「危ないですよ……! ここにいたら……!」
「問題ありませんよ。もとより、私はこの手で人々を守るために生かされているのですから」

 医者はそう言って、自らの右腕を撫でる。
 何かを語りかけるかのように、右腕を数回叩いた後。
 両腕を組み、腰に下ろす。
 すると彼の腰に、銀色のベルトが生えてくる(・・・・・)。バックル部分が緑色の宝石となっているそれは、体内からの生成物ということもあって、より一層の生々しい印象を与えた。
 そして。

「……変身」

 静かに告げられる、医者の一言。同時に、右腕を前に突き出していく彼の体。
 すると、彼の体に変化が訪れる。
 肉体が変化していく音とともに、その体が緑の体色となる。

「え」

 その姿に、ウィザードと響は言葉を失う。
 バッタにも見える、その異形。
 屈強な腕と足、その肩甲骨のあたりから風になびくオレンジ色のマフラー。

 その、人間がその体を変質できる者。ハルトがそれまで見知った人物の中で、それができる者の共通する特徴は少ない。

「参加者……なのか?」
「いいえ。彼は処刑人ですわ」

 ハルトの言葉に、ずっと姿勢を変えない狂三が応えた。

「処刑人が……何で?」
「彼はもともと生にも執着していないようですわ。最初から聖杯戦争の刺客として動くつもりはなく、この地で闇医者として動いている……医師免許もなさそうなのに、人を救うことに尽力するなんて、物好きな処刑人もいたものですわ」
「そんな処刑人がいたのか……」
「彼の名は木野薫。またの名を……」

 医者だったバッタの異形は、「すぅ……」と息を吸い込む。そのまま、構えを動かした
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