怪鳥の脅威
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され、そのまま倒れ込んでいく。彼女の姿は、そのまま生身に戻ってしまった。
「響ちゃん!?」
刹那、怪鳥の食欲にまみれた目線が、響に集中する。
再び光の光線を放ち、響の前に立ちはだかったウィザードの体に命中。大きく火花を散らし、ウィザードは弾き飛ばされた。
「ぐっ……」
「ハルトさん!」
「大丈夫……それより、響ちゃんの方が……」
「さっきと同じだ……アイツがあの光線を出すと、ガングニールの調子がおかしくなる」
「あらあら。大変ですわね、戦わない選択をした参加者は」
立ち上ろうとするウィザードへ、狂三が鼻を鳴らす。
ウィザードは起き上がりながら、狂三を睨む。
「手伝ってくれるとありがたいんだけど……」
「きひひっ……それでわたくしに何か利点が? あの化け物があなたがたを倒してくれたらそれでよし、そうでなくても手をこまねいているだけであなた方の力を見れるのですから。そこまでのメリットを捨てて協力する理由もありませんわ。まあ、これくらいは手伝ってあげますわ」
狂三はそう言って、銀色の物体をウィザードへ投げ渡す。
今しがた吹き飛ばされた指輪をホルスターにしまい直したところで、狂三が指差す。
「前を」
よだれを垂らしながらの怪鳥が、すでに目と鼻の先に迫っている。
ウィザードは両腕で怪鳥の顎、上下を防いだ。
「ぐっ……!」
その首を蹴り飛ばし、怪鳥は地面を転がった。
地べたで吠える怪鳥は、いまだにダメージから回復していない響へ狙いをシフト。
「……ッ!」
「しまった!」
慌てるウィザード。怪鳥は何度も吠えながら、食欲にまみれた目付きで生身の響を狙う。
何とか響の前に間に合わせたウィザードは、体勢もそのまま、指輪を発動させた。
『ビッグ プリーズ』
ウィザードが足を蹴り上げる。
魔法陣を通じて巨大化したかかと落としが、怪鳥を頭上から踏み潰そうとする。
だが、それよりも先に怪鳥の口から黄色の光線が吐かれた。
響を一瞬で生身に逆戻りさせた光線が、ウィザードの右足を貫通した。あまりの痛みに、ウィザードはバランスを崩して倒れる。
「ぐあっ!」
ウィザードは右足を抑えながら悶える。
貫通した光線を、怪鳥は再びウィザードへ放とうとしている。
そのとき。
「邪魔だああああああああっ!」
アンチが叫ぶ。
彼の目と口が紫に光だし、ウィザードの頭上を通って怪鳥に飛び掛かっていく。
そして、紫の光によって、彼の体が変わっていく。
細く、小さい体のアンチは、太く、大きな肉体となり、怪鳥を殴り飛ばした。
「アンチ君!」
「はああああっ!」
ウィザードが驚いている間にも、アンチが怪鳥へ何度も殴
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