アスターテ星域会戦B
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ヤンは懐かしそうに笑みを浮かべた。
「それにしても第4艦隊と合流したはいいけどどうするんでしょうね、この艦隊は」
「そうだな……」
ヤンは顎に手を当てると考え込んだ。第4艦隊と合流したといってもまだ全体の2割程度に過ぎず、とてもではないが帝国と対等に渡り合えるだけの戦力ではない。ましてや帝国軍の本隊を相手取るには力不足なのは明白だった。
「やはり、第6艦隊と合流するしかないか」
ヤンの言葉にアッテンボローもうなずいた。
「そうですね、それが一番賢い選択かもしれませんね。このままだと我々はただ消耗していくだけです」
「ああ、だが問題は第6艦隊がこちらに来てくれるかどうかだな……」
「難しいでしょうね」
アッテンボローはあっさりと答えた。
「そもそも第6艦隊は俺たちとは一番反対側にいるんですから、いくら何でも来てくれるとは思えないですよ」
「だが、第4艦隊の戦力が半減した今となっては第6艦隊だけが頼りなんだ。何とかして合流したいんだがなぁ……」
ヤンは腕を組んで考え込んでいた。
一方ヤンが合流方法を考えていたころからさかのぼる事数時間前、第6艦隊では司令官のムーア中将以下艦隊の首脳陣が旗艦ペルガモンのメインスクリーンを見ながら、今後について話し合っていた。
「ムーア提督、如何なさいますか?」
参謀長のゴドノフ少将がムーアに尋ねる。彼らはつい数時間前に入った第4艦隊からの接敵に関する報告に関して議論していた。
「決まっている、帝国軍を迎え撃つのだ」
ムーアはきっぱりと言い切った。
「ですが、当初の予定と異なり敵艦隊の進撃により、分進合撃は不能になり、接敵した第4艦隊はすでに撤退、もしくは壊滅した可能性があります。それどころか我々が帝国軍と戦えば全滅する可能性すらあります」
「ほう、ずいぶんと大胆かつ不愉快な予想だな、ラップ少佐」
ムーアは皮肉を込めて言った。
「私は自分の任務を果たすべく最善と思われる行動をとっているつもりです」
ラップ少佐はやや鼻白んだが、ムーアに臆することなく答えた。
「ふん、相変わらず生意気な男だな。まぁいい、我が艦隊はこれより第4艦隊の救援に向かい、敵艦隊を挟み撃ちにする」
ムーアは自信たっぷりに言った。
「しかし、もし第4艦隊が敗退していたとなると話は変わりますが?」
「それはありえない、第4艦隊とてそうむざむざとやられるはずはない。」
「ですが、第4艦隊が敗北した場合、第6艦隊単独で帝国軍と戦うことになります。これは非常に厳しい状況です」
「何を言っている、貴様臆したか!!」
ムーアは声を荒げた。
「そんな事は分かっておるわ!!だからこそ、我らは第4艦隊と合流し、帝国軍を挟撃する。そして
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