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レーヴァティン
第二百五十一話 蝦夷統一を前にその十五
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「この世も人も腐らす最悪の毒だ」
「嘘に惑わされた者がその嘘を信じ」
「それでおかしなことを行う」
「だからですね」
「これは許さない」 
 断じてというのだ。
「俺はな」
「だから罰する」
「そうされますね」
「そうした輩は」
「そうだ、そしてだ」
 英雄は己の言葉を続けた。
「愚か者はそれでいい」
「相手にしない」
「それでいいのですね」
「幕府としても」
「子供ですらわかることをわからない者の言葉を誰が聞く
 英雄は小姓達に問うた。
「一体」
「聞きませぬ」
「それこそ子供以下の愚か者でないと」
「それこそ」
「そうだな、そんな愚か者はそうはいない」
 ただし戦後日本の知識人には多かった、マルクス主義に席巻され思考が完全に停止してしまったからであろうか。
「だからな」
「そうした輩が出ても」
「相手にせず」
「放っておきますね」
「どうせ誰の何の役にも立たないしな」
 そうした輩はというのだ。
「お前達も今の技で未来の技を語れるか」
「いえ、とても」
「それは出来ませぬ」
「先のことはわかりませぬ」
「そうしたものであるので」
「とても」
「そうだな、普通はそう考える」
 まさにというのだ。
「それを行い何を血迷ったか悦に入る」
「実に下らない人生ですね」
「生きていてもそれではです」
「何の意味があるのか」
「わかりません」
「俺は吉本もこうした輩も軽蔑する」 
 英雄は心から言った。
「何を言っても変わらない見捨てられたことも気付かないで努力しない愚か者共もだがな」
「まさにまことの愚か者」
「その者共こそ軽蔑する」
「そういうことですね」
「そうだ」
 まさにという返事だった。
「そして軽蔑という言葉は重い」
「はい、言われると忘れられないです」
「そうした言葉です」
「言った方が忘れようとも」
「言われた方は忘れない言葉です」
「俺はそうした輩にか使わない」 
 軽蔑、この言葉はというのだ。
「決してな」
「それに値する輩のみですね」
「用いるのは」
「そういうことですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「普通は使わない」
「そうなのですね」
「重い言葉であるが故に」
「それで、ですか」
「その様にされますか」
「そうした輩にしか使わないですか」
「俺も言われると一生忘れない」
 自分自身もろいうのだ。
「流石にな」
「それが軽蔑という言葉ですか」
「言われた方は忘れない」
「そのこと我等も覚えておきます」
「その様に」
「言葉は言うと戻らない」
 決してというのだ。
「出せばな、その中でも特にだ」
「軽蔑という言葉はですね」
「重くそれが故に帰らない」
「そうなのですね」

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