情報収集
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追いついたハルトは、改めて今行うことを振り返る。
見滝原南にて、行わなければならないこと。
・蒼井晶を連れ戻す
・アンチのムーンキャンサーなるもの探し
「これ一日で終わらせろとか本気で言ってる?」
ハルトはため息をついた。
「片や参加者でただでさえ説得が難しい、片や探し物の手がかりさえないって……なんとか明日のシフトまでに間に合えばいいんだけどな」
「ハルトさん、明日仕事?」
「うん。念のため、昨日の夜から今日一日にかけて開けておいたんだけどね。……何はともあれ、まずは情報を集めなきゃいけないよね」
「情報って、どうするの?」
「どうするって……こういう場所で人を集めるなんて、これしかないでしょ」
ハルトはそう言って、指輪を発動させる。
『コネクト プリーズ』
赤い魔法陣から取り出したのは、黒い筒。三つの大きさの異なる筒を並べ、さらに小道具も取り出していく。
「何をやってるの?」
「俺が出来るのは大道芸だけだから。それじゃ響ちゃん。今回はちょっと大規模なやつをやるから、アシスタントお願い」
「アシスタントッ!? 楽しそうッ!」
「アシスタントでそんな感想をもらえるとは思わなかったよ」
ハルトはほほ笑みながら、息を吐く。
「それでは皆様! お仕事とお急ぎでない方は是非ご覧あれ! わたくし、見滝原のマジシャンこと松菜ハルトによる大道芸ショーの開催です!」
「ハルトさんいつの間にそんなかっこいい二つ名が付いたの?」
「……自称です」
ハルトは咳払いをして、司会を続ける。一連の流れで、通行人の何人かはハルトたちへ目をうつしているが、ほとんどの人は目もくれない。数少ない客も、足を止めたのは数秒だけで、すぐに立ち去ってしまう。
「さあ、それでは皆様。こちらに並べてあります三つの筒。そして、その上にこの板!」
三つの筒。それぞれ異なる大きさのそれを、縦に積み重ねていく。円形の上に円形という都合上、不安定なことその上ない。
さらにハルトは、足場として長い木の板を筒の上に設置した。当然簡単に揺れるため、安定とは程遠い。
「よし。さあ、イッツショータイム!」
ハルトはその言葉と共に、木の板に飛び乗った。
大きさがバラバラの円筒と木の板。そこに飛び乗ったハルトは、数回両腕でバランスを取り、ようやく安定した。
「よし……響ちゃん、そこにあるやつ、こっちに投げてくれない?」
「そこにあるやつ……このピンですか?」
「そう、それ」
「おっけー」
響は二つのピンをハルトに投げ渡す。ハルトはそれを同時に受け取り、それぞれジャグリングを始める。
「ありがとう。それじゃあ、三つ目もお願い」
「ほいッ!」
響は笑顔で三つ目のピ
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