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Fate/WizarDragonknight
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がて「きひひひっ」と肩を震わせ、その手に銃を握った。

「危ないっ!」

 ほとんど反射的行動。
 ハルトは狂三の銃口を蹴り上げ、割り込んだ。

「お前……一体なんのつもりだ!?」
「あら? きひひひっ……あなたこそなんのつもりですのウィザード? ……ねえ?」
「ッ……」

 ハルトは唇を噛み、指輪を取り出す。銀のベルトにかざし、『ドライバーオン』の音声とともに銀のベルトが出現する。

「きひっ! ええ、ええ! いいですわよウィザード」

 狂三はまた前髪をかき上げる。その時計のような形をした金色の眼がハルトを睨み、さらにその瞳に刻まれた時計の針が威嚇のように回転していく。

「お人よしとは思っていましたけど、ええ……ええ……! ランサーよりは話が分かるそうですわね! そうですわ、そうですわ! 気に入らないのなら、戦いましょう? ええ、ええ。戦いましょう? わたくしたちは元より敵同士なのですから。そちらの子も、ただの怪物ならまだしも……ねえ?」

 再び狂三の古銃より、銃弾が放たれる。が、同時にハルトが銃を蹴り上げ、銃弾が遥か天空へ反らしていった。
 だが、上空へ逸れていった弾丸。それは。
 上空の何かに命中した。

「……ん?」

 刹那、目を吊り上げたアンチが上空を見上げた。
 太陽に目を細めたハルトは、ようやく狂三の銃弾が当たったらしきものを見つける。
 黒い点にしか思えない、上空のそれ。ハルトと狂三も、それぞれの敵意を収めて空を見上げる。
 みるみるうちに大きくなっていくそれは、だんだんとそのシルエットがハッキリとしてくる。
 矢じりの形をした頭部と、矢のように細く真っすぐな体。その両側より広がる大きな翼は、鳥かコウモリを思わせる。
 それは、上空で向きを変えた。矢じりらしき部分を地上に向けたそれ。

「危ないッ!」

 響が叫んで、アンチを抱きかかえる。
 同時に、ハルトとウィザードも飛び退き、同時にハルトの大道芸グッズを大きな質量の物体が押しつぶした。

「あ、アイツは……!」

 その赤い眼を見た途端、ハルトは血の気が引いた。
 数時間前、ハルトたちを襲った三体の怪鳥。
 ウィザードであるハルトと怪物となったアンチにより、最後の一体になった怪鳥。
 赤く、矢じりの頭部を掲げ、青空に響き渡る嘶きを上げ、怪鳥はハルトと狂三に襲い掛かってきた。
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