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レーヴァティン
第二百五十一話 蝦夷統一を前にその十二

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「おかしいことは一目瞭然だ」
「左様ですね」
「例え仏門を一切学ばずとも」
「立派な人物がそうしたことをするか」
「むしろ俗物です」
「そう言うしかありません」
「そうとしか思えません」
 小姓達も眉を顰めさせて述べた。
「到底です」
「君子とは思えません」
「むしろあまりにも俗物過ぎてです」
「醜悪ですらあります」
「そんな子供ですらわかることがわからずでだ」
 その様な知能、強要、常識の持ち主でというのだ。
「思想家は」
「とても言えませんね」
「只の愚か者です」
「それも途方もない」
「そうとしか思えません」
「その愚か者がだ」
 小姓達が言う途方もないまでのというのだ。
「俺達が起きた世界ではその時代最大の思想家と言われていた」
「上様の時代には思想家はいないのですか?」
「お言葉ですが」
「上様のおられる国は日本といいますが」
「今石になっている世界にもある国ですが」
「そうだ、俺達の時代の日本ではそう言われている」
 戦後日本のだ。
「最大のとな」
「あの、思想家どころかです」
「とてつもない馬鹿者にしか思えません」
「それこそ付き合うだけ無駄の」
「どうにもならない愚か者としか」
「俺もそう確信している、しかしだ」
 それでもというのだ。
「そいつが実際にだ」
「そう言われているのですか」
「その時代の日本最大の思想家と」
「その様に」
「そうだ、訳のわからない文章を書いてだ」
 何を書いているかわからない様なそれをだ。
「それで持て囃されていたが行き着いた先はだ」
「そんなものですか」
「そういった俗物ですか」
「それも邪悪極まる」
「それではたかが知れている」
 訳のわからない文章を書いていた頃もというのだ。
「そう思うな」
「はい、人間行き着く先も大事です」
「それが碌でもないものならです」
「たかが知れています」
「それまでの人生や考えも」
「そういうことだ、事実誰でもわかる文章を書く様になれば」
 吉本は後にそうなった、最初は何を言っているのかわからない文章を書いてそれを読ませていたがだ。
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