アスターテ星域会戦A
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笑しながら、同時に安堵の感情を抱いた。自分が負傷してもまだ冷静でいられるだけの余裕があるのだ。
しかし、それはつかの間のことだった。
「閣下、パノフ准将殿しっかりしてください!!」
オペレーターが叫ぶ声が聞こえた。
「何だと!?」
クロパチェクはすぐに立ち上がって、周りを確認する。すると彼の視界に重傷を負ってわき腹を抑えながら指揮官用シートにうずくまるパノフ准将の姿が確認できた。
「閣下、ご無事ですか!?」
「ああ、何とかな。…それより貴官の方が重傷じゃないか…」
「いえ、私は大丈夫です、たかが指の1本や2本程度…」
「そうか…」
パノフはかすかに笑うと、すぐに痛々しげな表情になった。
「すぐに軍医と衛生兵を呼べ。それとだ、クロパチェク大佐、現在艦隊の指揮を執る能力があって、なおかつ階級が高いのは貴官のようだ…。命令だ、貴官が我が艦隊の指揮をとれ」
「え、はっ…、了解…」
クロパチェクは一瞬戸惑ったが、すぐに命令を受け入れると、直ちに艦隊に命令を下した。
「全艦へ通達、これより我が艦隊は戦場を離脱し第2艦隊と合流する。また司令官パノフ准将閣下重傷により私、アラン・クロパチェク大佐が指揮を執る。以上だ」
こうして、帝国軍艦隊を何とか振り切った同盟軍第4艦隊の残存兵力約7000隻近くは、無傷の第2艦隊と合流すべく進路をとったのであった。
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