暁 〜小説投稿サイト〜
銀河を漂うタンザナイト
アスターテ星域会戦A
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多くの艦艇が戦闘不能に陥った。

「えぇい、何をやっているのだ!?反撃せよ!」
「閣下、今がチャンスです」
「よし、今だ!!突入、敵艦隊を食い破れ!!」

パノフの号令の下、第4艦隊は一気に突撃する。
そして、そのままフォーゲル分艦隊の横腹に喰らいつくと、猛烈な砲火を浴びせた。

「撃って、撃って、撃ちまくれ!敵の戦力を削り取れ!」

パノフはそう叫びながら、さらに艦隊を加速させる。そして、ついにフォーゲル分艦隊の中央部深くに食い込み、突破に成功しつつあった。
当然のことながら帝国軍も黙って第4艦隊が逃げ出すのを見逃す気はなかったが、敵が味方艦隊の奥深くに食い込んでいたため誤射を恐れて発砲を控えざるをえなかった。
そのため、パノフたちはほとんど損害を受けることなく、フォーゲル分艦隊を突破しつつあった。

「フォーゲルは一体何をやっている!?こんな無様な戦い方で勝てると思っているのか!?」

ラインハルトは目の前の戦況に苛立ちを隠せなかった。彼はすでに味方艦隊が敗走しているという報告を受けており、彼自身もそれを目のあたりにしていた。
彼の視界には逃げる味方艦隊の姿と、それを追うように追撃をかける同盟軍の姿が映っていたが、この時ラインハルトは味方の敗北を完全に認めていた。

「まったく、何たるざまだ!!フォーゲルの無能め、包囲網の構築も満足にできないか!」

ラインハルトは舌打ちと共に吐き捨てるように言うと、すぐに通信兵に命じた。

「ファーレンハイトとメルカッツの両艦隊を急行させてフォーゲルを掩護させろ」
「了解です」

ラインハルトの命令を受けて、オペレーターは両艦隊の提督に回線を開く。そして、事情を説明し命令を伝えた。

「なるほど、そういうことか。分かった、すぐに向かうと伝えろ」
「分かりました」

ファーレンハイトは副官のザンデルス中佐に対し短く答えると、すぐさま命令を実行に移した。そして、メルカッツもまた同様の行動をとった。

「閣下、どうされますか?」
「うむ、敵艦隊はフォーゲル分艦隊の中央に位置しており、下手に発砲しては同士討ちになる恐れがある。素早く近づいて宙雷艇とワルキューレで攻撃する」
「はっ」

メルカッツの言葉に副官シュナイダー中佐はうなずくと、各艦に指示を出す。
こうして、帝国軍は同盟軍が離脱しつつあるフォーゲル分艦隊中央部に対して宙雷艇とワルキューレによる攻撃を開始した。帝国軍の攻撃に対し、同盟軍は果敢に反撃を行う。幸い同盟軍にとって幸運だったのは、この段階で帝国軍は同士討ちを恐れて火力を一点集中するのではなく、散開させていたことだ。
結果として同盟軍の被害は比較的軽微に抑えられた。ただ、それは帝国側も同様であった。しかし、同盟軍の突撃によって帝国軍は一
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