アスターテ星域会戦A
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しているのか?だとしたらこのままでは袋叩きにされるだけだ……)
彼が思案していると、パノフが話しかけてきた。
「クロパチェク大佐、何か策はないのか?もしあるなら聞かせてもらいたい」
クロパチェクはパノフの顔を見ると、ためらいがちに口を開いた。
「あります。ただ成功するかどうかは五分といったところでしょうが」
「どんな内容なのだ?」
「実を言うと今目の前で展開している敵艦隊ですが、どうも見た限り動きがやや鈍い感じがするので、あの当たりに火力を集中して一点突破を図るのはどうでしょうか?」
クロパチェクはそう言い終わると、パノフの反応を見た。パノフは腕組みしながら、じっと考えていたがやがてゆっくりとうなずいた。
「分かった、やってみる価値はあるだろう。それで具体的にどうすればいいんだ?」
「はい、まずは敵艦隊に全火力を叩きこんで、敵がひるんだすきに高速で突入し突破口をこじ開け、速度を保って離脱…というのはいかがでしょう?」
「ふむ、ベターな手だが悪くない、それでいこう」
クロパチェクの提案を受けたパノフはすぐに行動を開始した。
「よし、全艦砲撃準備!目標前方の敵軍!」
パノフの命令に従い、同盟軍第4艦隊は一斉に主砲の照準を合わせる。
そして、クロパチェクから提案された作戦案の元、自分達から見て前方左翼方向に展開する帝国艦隊-フォーゲル分艦隊-にありったけの火力を叩き付けた。
「主砲斉射三連、ファイヤー?」
その命令と同時に同盟軍の艦艇から無数のビームやミサイルが放たれ、帝国軍の艦艇に命中していく。
フォーゲル分艦隊旗艦バッツマン 艦橋
「砲撃来ます!!」
「くそ、叛徒どもめ!反撃だ!ファイエル!」
フォーゲル分艦隊司令官であるフォーゲル中将は、部下たちに命令すると自らも旗艦による射撃を開始し、応戦した。しかし、死に物狂いの同盟軍の猛攻により、フォーゲル分艦隊はすでに先手を取られており、対応が後手後手に回っていた。
「全艦、左回頭しつつ応戦せよ!!」
「閣下、それでは陣形が維持できません!」
「構わん、撃ち続けろ!」
フォーゲルはそう叫ぶと、必死になって回避運動を行いつつ、反撃を行った。しかし、それでも約3000隻と約8000隻という圧倒的な数の差の前には焼け石に水であり、徐々に劣勢に立たされていった。
一方、クロパチェクの提案した攻撃目標はまさに効果てきめんだった。というのも、この攻撃によってフォーゲル分艦隊は混乱に陥り、一時的に統制が取れなくなっていたのだ。更にフォーゲル中将が回頭命令を下したのが混乱に拍車をかけた。
その結果、フォーゲル分艦隊は隊列が乱れて密集状態となり、そこに同盟軍の攻撃が集中した。結果、いくつかの戦艦や駆逐艦が爆沈し、
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