暁 〜小説投稿サイト〜
銀河を漂うタンザナイト
アスターテ星域会戦A
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准将が務めていた。

「パノフ准将、クロパチェク大佐をお連れしました!」
「ご苦労、休んでくれ。あとは私が引き継ぐ」
「はっ、了解しました!」

クロパチェクを連れてきた士官は敬礼すると、自分の持ち場に戻っていった。

「さて、分艦隊司令官パノフだ。クロパチェク大佐、よく来てくれた」
「いえ、とんでもないことです」

二人は互いに敬礼を交わした後、現状の確認を始めた。

「まず最初に聞きたいことがあるのだが、艦隊首脳部はどうなったのかね?」
「はい、生き残ったのは私を含め数名だけという有様でして、ほぼ壊滅したといっても過言ではありません」
「そうか……それはお気の毒に……」

パノフは心底同情するかのようにつぶやいた。

「しかし、パストーレ閣下をはじめ多くの将兵が亡くなったのだ。せめて彼らの冥福を祈るとしよう」
「えぇ、そうですね」

クロパチェクはうなずくいた後に話し出す。

「一応幕僚団で生き残ったのは私と後方勤務参謀のリアコフ少将、それと副参謀長のアブラハム少将の三名のみとなります。しかし、2名とも重傷を負っておりこの状況ではまともに指揮できるかどうかは微妙です」
「そうだな……それで今後の方針なのだが……」
「はい、いったん戦線を離脱すべきかと思います。そして態勢を整えてから味方艦隊と合流すべきかと考えます」
「確かにそれしかないな。問題は誰が指揮を執るかだが……」

パノフは少し考えるような仕草を見せた後、クロパチェクに問いかけた。

「君はどう思う?」
「階級からして閣下が指揮をとられるべきかと思いますが…」
「いや、私は無理だ。とてもじゃないがこの状況下で冷静に指揮を取れる自信はない。むしろ君が指揮を執ったほうがいいと思うがね」
「……」

クロパチェクはしばらく考え込んだ後、首を振った。

「申し訳ありませんが、参謀や1艦の指揮を執るならまだしも、1個艦隊は私も自信がありません。それに参謀とはいえ佐官クラスが1個艦隊の指揮を執るというのはおかしいですので、やはりここは閣下にお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」
「ふむ、まあそういうことなら仕方がない。引き受けよう」
「ありがとうございます」

クロパチェクはパノフの言葉を聞きながら内心で安堵のため息をついた。

「よし、ではこれより我々は一時撤退を開始する。その後、他の艦隊と合流するぞ」
「はっ、分かりました」

こうして、第4艦隊は一旦撤退することを決めたのだったがその状況はあまりいいものではなかった。なぜなら、その時には帝国軍が包囲網を形成しつつあったからだ。

「これはまずいな……」

クロパチェクは小さくつぶやくと、これからの方針について考えた。

(敵は我々を包囲しようと
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