第十部
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「うん 私ね お姉ちゃんのこと、賢くて、優しいし、尊敬しているんだー 私が京都に出てきたときの恩人」
「そうかー 香波 いい人に出会えたんだなー」
そして、裏口に周って行って、人がいないのを見て、私は巧の顔を見て、「巧」と言って眼を閉じていたら、抱き寄せられて、巧の唇が触れてくるのがわかった。 年が明けて、私は、この家で3度目のお正月を迎えていた。もう、元旦のお料理も要領が解っていたので、昨日からお母さんのお手伝いも手際よくこなしていた。
そして、揃って、お屠蘇で新年のお祝いをして、その後は、平安神宮にお詣りに行くことになっている。私はいつもの着物だったけど、お姉ちゃんは、小紋の着物を着ていた。もう、いつまでも振袖じゃぁ、香波と張り合っているみたいじゃぁないって言っていた。
「早いものだなー 香波が来て、3度目の正月だものな 香波 明日はデートだってな 着物姿見たら、びっくりするだろうなー彼も」
「そんなー でも 喜んでくれるといいなぁー」
「こんなに綺麗なのに 喜ばない男がいるものかー どうだ一度 連れてこないか 会ってみたいものだが・・それに、寮生活で正月だって、ろくなもん喰ってないんだろ」
「だって まだ 紹介するなんてー」
「お父様 香波ちゃん 困っているじゃぁない その時になったら、香波のことだから、自分から言ってきますよ ねぇ 燿?」と、お母さんが助けてくれた。
「そう ねぇ 私も会ってみたいけど、我慢しているのよ 変に気を使わせないように」
「お母さん ありがとうございます 彼も まだ、就職も決まっていないし もう少し、待ってください」
次の日、私は少し歩くけれど、地下鉄の駅で待ち合わせをしていた。着いた時には、もう巧が来てくれていて
「香波 ・・・いゃー きれいだよ 遠くに見えた時、まさかと思ってしまったよ まさかの美人なんだなー」
「ありがとう 巧に見せたかったんだー」
「うーん 嬉しいよ 歩いてくるのって遠かったんじゃぁないのか?」
「うん もう 歩くのも慣れたよ 京都に来て、お正月はいつも着物着せてもらってるから」
「そうか 幸せそうで良かったよ」
「私ね 巧が居るから、最高に幸せなんだよ」
私達は、地下鉄に乗って、下賀茂神社に参拝した。その間、ずーと私は巧の腕に?まるようにして歩いた。だけど、人も多くって、私、キスして欲しくって、ずーとチャンスを考えていたんだけど・・
帰り、家の近くまで、送ってくれて、あの家を見られるのには抵抗があったから、もういいから、いいからって言うのに家の塀が見える所まできてしまって
「あそこ」と、私は小さな声で・・
「えぇー あそこ? あの木の扉があるとこ?」
「う
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