暁 〜小説投稿サイト〜
銀河を漂うタンザナイト
アスターテ星域会戦@
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えると彼は落ち着こうとコーヒーをまた飲んだ。

(コーヒーは苦くて冷たい方がいいな…)

気分転換にそうとりとめもないことを考えた時だった。

「司令!敵影確認しました!」

艦橋の指揮机に駆け込んできた伝令兵の報告にクロパチェクは思わず立ち上がって叫んだ。

「どこだ!?」
「はっ、敵艦隊は我が艦隊の前方に位置しており、約1時間で先頭集団と接敵します!!」
「…よし分かった、全巻総力戦用意!!これより敵艦隊を迎撃する!」

クロパチェクの言葉にパストーレは我に返る。

「はい、直ちに」

パストーレはそういうと通信士に指示を出した。

「第5集団、第7集団は前進微速、敵艦隊を包み込みつつ十字砲火を浴びせてやれ!」
「了解です」

第2、第6艦隊への連絡に向っていた巡航艦6隻が命令を受けて、敵襲を伝えるべく加速した。

「ドゥラクロワ准将の戦闘集団を直ちに後退、本隊と合流させろ!」
「了解…、っダメです、敵艦隊の通信妨害が激しく連絡が取れません!」
「何だと!?、なら連絡艇を出せ、急げ!」
「は、はい」
「敵艦隊が接近しています、急ぎましょう」

クロパチェクが声をかける。

「よし、全艦発砲用意、先頭集団との合流後に攻撃を開始する」

パストーレが宣言すると幕僚たちは一斉に動き出した。

しかしことはパストーレの想定よりも早く動いたのだった。

「報告、先頭集団、敵艦隊と交戦開始!」
「連絡艇は?」
「まだ移動中です」
「バ、バカな、早すぎる…」
「閣下、敵の戦力は我々の2倍近いのです、予想される交戦時間も長くなるでしょう、ここは後退して味方艦隊と合流すべきかと」

クロパチェクの言葉にパストーレは歯ぎしりをした。
「わ、分かっている、だが、まさかここまでとは思わなかったのだ…」
「閣下、今は後悔している時ではありません、酷ですがとにかく我々だけでも撤退を」
「……仕方あるまい、全艦後退して友軍と合流するぞ」
「了解」

パストーレは悔しさをにじませながらも命令を下した矢先…。

「報告!ドゥラクロワ准将戦死、先頭集団壊滅しつつあり?」

その言葉にパストーレの顔が青ざめた。

「な、何だと!?どういうことだ」

パストーレは動揺しながらも報告してきた兵士に声をかけた。

「はい、それが敵艦隊がこちらの常識を上回る速度で突撃してきたため、先頭集団は鎧袖一触で蹴散らされた模様です」
「ば、馬鹿な……」

パストーレは信じられないといった顔でつぶやいた。

「閣下、もはやここは味方部隊と一刻も早く合流すべきかと考えます、すぐにでも後退命令を」

クロパチュクの言葉にパストーレは一瞬考え込んだが、やがて意を決したように言った。

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