暁 〜小説投稿サイト〜
吸血鬼の真祖と魔王候補の転生者
第10話 魔女狩りを狩る者
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「・・・俺が知ってるのはそれぐらいだ」

「そう・・・ありがとう」

私は応対してくれたマスターにそう告げると、白ワインのボトル1本とワイングラスを2つ受け取り、わざとワイン2本分の代金を置いて、恋人の待つテーブルに向かう。

皆さんごきげんよう、シルヴィアよ。

エヴァの故郷から出発した私達は今、ヨーロッパ東部にある村の酒場に居るの。

時刻は日も沈んでしばらく経つ夜。

宿屋で夕食を終えた後、目的があった私はエヴァを誘い村に一軒だけあるこの酒場に来た。

普段男しか居ない酒場に現れた美女2人に、様々な視線が向けられる。

そんなのはどこ吹く風とさっさと席を取り、私がお酒を買いにカウンターへ行ったというわけ。

目的の情報を得られた私は、エヴァの向かいのイスにマントを掛けて座るとボトルを空ける。

「ずいぶん話し込んでいたな?」

目の前の美女、エヴァがそう問いかけながらグラスを向ける。

「えぇ・・・少し知識の確認をね」

エヴァのグラスに注ぐと、今度は自分のグラスを取る。

今度はエヴァが注いでくれて、無言でカチンとグラスを合わすと一口。

うん、なかなかおいしい。

元々お酒には詳しくなかったけれど、旅をしていれば飲む機会くらいはある。

エヴァも幼い頃から飲んでいたし。ヨーロッパらしい面だ。

渋みの強い赤ワインよりは、2人とも白ワインが好き。

味音痴な私基準でおいしいのに当たると得した気分になる。

もちろん、熟成年数その他の難しい事は分からない。

寝かせたら寝かせた分だけおいしくなる?らしいとしか知らない。

「それで?」

一息に飲み干し自分で新たに注ぎながら、知識と言う単語に気を引き締めエヴァが訪ねてくる。

彼女には私の前世の事も話してあるから当然と言えば当然の反応。

私が口を開こうとしたその時・・・そいつらは来た。

「へへへ、姉ちゃんたち。どうせなら俺たちと飲もうや」

そう言いながら私達のテーブルに近寄って来たのは、酔った2人組の男。

一応気と魔力を使い探るもただの一般人。完全な『あちら側』・旧世界の住人だ。

魔に生きる私達に話しかけるとは、運が無いなぁと内心呆れる。

まぁ酔って気が大きくなっているところに、どう客観的に見ても極上の旅人美女2人が居れば、わからなくはないけど。

「ふふっ、ごめんなさい。これから女同士の大事な内緒話があるの。またの機会にしてもらえるかしら?」

特別サービスで笑みを浮かべながらやんわり断る。

ちなみにエヴァは我関せずと、ちびちびワインを飲んでいる。

・・・そりゃ男2人とも私の方向いているからいいけどさ。

ふと探ると、酒場中の人間がこっちの様子を伺
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ