第2部
スー
スー族の里を後にして
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らさまに落胆した顔を向けた。
「あー、ホントアネキってずれてるよな。そう言うんじゃなくてさ、ヒックスさんに命令してる姿がかっこいいって言ってんの!」
「なんでちょっと怒ってるの?」
なんだかユウリと一緒に旅をしてから、ルカってばどんどんユウリに対する尊敬っぷりが増していっている気がする。これだけ崇拝していると、姉の立場がないではないか。
「ひょっとしてルカ、ユウリみたいなお兄さんが欲しかったの?」
「もちろん!!」
何とはなしに聞いてみると、ルカは目を輝かせて即答した。
「だってきょうだいの中で、男じゃおれが一番上だろ? おまけに一番上のアネキはこんな頼りないし」
じろっと横目で私を睨むルカ。そんな顔されても非常に困る。
「なあアネキ。ユウリさんと結婚しないの?」
「なっ!? 何てこと言ってんの!?」
いきなり突拍子もないことを聞かれ、思わず大声を上げる。
「はは、冗談だよ。もし本当にユウリさんがおれのアニキなら嬉しいけど、アネキとじゃ絶対釣り合わないもんなあ」
くっ、否定できない……!!
確かに普段から避けられたり、鈍足女とか間抜け女とかバカにされてるし、そもそもあんまり好かれてないんだもん。釣り合う以前の問題だ。
「もう、笑えない冗談は止めてよね!!」
「何が笑えないんだ?」
いつの間に間にいたのか、ユウリがひょっこりと顔を出していた。
ちらりとルカの方を見ると、すでに遠くへ逃げている。
「あっ、いや、別に何でもないから!!」
私はわざとらしく手を振ると、ルカの後を追うように慌ててこの場から去ったのだった。
「……? 何なんだ、あいつら」
一人残されたユウリが、全く状況もわからないまま首をかしげていたのは言うまでもない。
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