第三章
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宮殿、皇帝のいる場所に案内され入った。すると彼も供の者達もさらに驚いた。
「何という広さだ」
「ここは何だ」
「皇帝の宮殿というが」
「まるでローマの街がそのまま入るまでではないか」
「恐ろしく大きく広い」
「しかもこの見事なことと言えば」
「壮麗という言葉もまだ足りない」
こう言うのだった。
「ローマの何処にもこんな宮殿はない」
「何といいますか」
「豊かさが違います」
「ローマ程豊かな国はないと思っていましたが」
「そして皇帝の宮殿も最高のものと思っていましたが」
「これはまた」
「比べものにならぬ」
そして宮廷にいる者達の見事な服にも驚き皇帝に拝謁してもだ。
玉座にもそこまでの間の長さもそこにあるものにも彼等は驚いた。廷臣達の数にも場の広さと豪華さにもだった。
皇帝の絹の服にもだ、全て驚き。
泊りの場に案内され食も摂ってから使者は供の者達に話した。
「食べるものもな、ローマなぞな」
「恐ろしいまでに美味いです」
「胡椒もふんだんに使われています」
「胡椒以外の味付けのものも多く」
「これは美味いです」
「酒の質もいいですし」
「それに比べてだ」
まさにというのだ、箸というものがあったが誰も使えず皆手で食べている。
「ローマはな」
「全く以てみすぼらしく」
「貧しいですな」
「この国と比べますと」
「全くですな」
「このことを帰った時に伝えよう」
ローマにというのだ。
「皇帝にもな」
「はい、必ずです」
「そうしましょうぞ」
「我々は」
こう話した、そして漢で自分達の仕事が終わるとローマに戻った、帰路も何かとあったが彼等は何とかだった。
ローマに戻った。そうして皇帝に漢のことを全て話したが。
皇帝は仰天してだ、使者に問うた。
「そこまでか」
「はい、豊かでして」
「ローマよりもか」
「比べものにならぬまで」
「その国は豊かか」
「服も口にするものも建てものもです」
「何もかもがか」
使者にこう問うた。
「ローマのものよりもか」
「豊かです、馬も車も多く」
「兵もだな」
「あちらは皮の鎧や兜ですが」
身を守るものはというのだ。
「質がよく武器は我々より遥かによい鉄で造られ」
「弓矢も多いか」
「左様です、からくりのものもありますし」
弩をこう言った。
「かなりの強さかと」
「そうなのか」
「若しあの国と戦えば」
「パルティアより遥かに手強いか」
「間違いなく、恐ろしい国です」
「東の国がそこまでとはな」
皇帝は驚きを隠せない顔で述べた。
「流石にだ」
「思いませんでしたか」
「ではだ」
皇帝は使者に厳しい顔で言った。
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