Lv67 ラルゴの谷
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アシュレイアとの戦いから数日が経過した。
その間、イシュマリア城はかなり慌ただしい日々が続いていた。
ヴァリアス将軍や主席宮廷魔導師であるディオン様達は、動乱の後始末に追われている。勿論、アヴェル王子やヴァロムさんも例外ではない。
これは無理もない話だろう。先の動乱は、国体を揺るがしかねない事件な上、負傷者も多数いるからだ。
おまけに、アウルガム湖にあるあの島には、今もまだ石化したままの魔導騎士達が沢山いる。彼等の石化解除などもある為、やる事が山積みなのである。なもんで、報酬として貰ったストロスの杖は、俺の手元にはない。石化解呪でどうしても必要だからだ。
とはいえ、忙しくない者達も中にはいる。それは、ラヴァナに住まう大多数の民や、イシュラナ教団の関係者達である。
前者はともかく、後者は動乱の中心ともいえる組織の為、アズラムド陛下の命により、イシュラナ教団関連施設すべての一時封鎖に加え、そこに住まう神官達の外出禁止令が出ていた。
神官に化けた魔物がいる可能性があるので、これは当然の措置であった。
だが、あまり長く封鎖を続けると民達に不信感を与える事にもなる為、オヴェリウスの神官達が全員魔物でないと分かった時点で、神殿の封鎖を解く予定だそうである。確認は勿論、ラーの鏡で行うそうだ。
本当ならば、どんな仕掛けが施してあるのかわからないので神殿自体完全封鎖をしておきたいところだが、この間の極秘会談で、イシュラナ信仰をこのまま続ける事になった為、やむを得ない措置なのである。
それから、アヴェル王子やヴァリアス将軍の話によると、多くの民達は平穏に暮らしているそうだ。
魔物達の策略を未然に食い止めたことに加え、浄化の結界が作動したことで魔物の脅威が一時的に取り除かれた事も大きいのだろう。
まぁそんな感じで、慌ただしいイシュマリア城内ではあるが、ここに忙しくない者が1人いるのであった。それは……俺だ。
俺は特に何もせず、イシュマリア城の客間で、のんびり過ごしているところだ。まぁ早い話が、休養というやつである。
これはヴァロムさんとアヴェル王子の指示によるもので、一応、10日程はゆっくり休んでいろとの事であった。
先の動乱で死に掛けた……というか、一度死んでいるという事もあり、それを労っての事のようだ。2人の気遣いに感謝である。
以上の事から、俺は客間でのんびりと寛いでいるわけだが、中々と退屈はしない。
なぜなら、顔見知りが毎日ここに訪れてくれるからだ。
そして今日は、高貴なお嬢様方がお見えになっているところであった。アーシャさんとサナちゃん、そして、フィオナ王女である。
3人は今、室内のソファーに腰掛け、俺と談笑しているところだ。
彼女達と会うのは俺が目覚めてから今日で
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