Lv67 ラルゴの谷
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に話しかけた。
「えっと、ギネルさんでしたっけ? ちょっと知りたい事があるので、魔法陣の方まで一緒に来てもらえますか?」
「知りたい事? それはいいですが、何が知りたいので?」
ギネルはそう言って首を傾げた。
「それなんですがね、ずっと道中引っ掛かっていた事があるのですよ。ま、ちょっと一緒に来てください。それほど時間は取らせませんので」
「はぁ……わかりました」
ギネルはわけがわからないと言った感じで、俺と共に魔法陣へと歩を進めた。
そして魔法陣の少し手前で俺達は立ち止ったのである。
距離にして4m程といったところだ。
そこでギネルは口を開いた。
「コータロー殿でしたか、魔法陣の何を知りたいのですかな。私は一介の騎士ですので、このような魔法陣のことはわかりかねますが……」
「ですよねぇ、そこは私も期待してません。私が知りたいのはですね、コレなんですよ! ドリャァァ!」
俺はそう言うや否や、ギネルに向かい、ラガーマンばりのショルダータックルを思いっきりかましてやったのである。
「ウワァァァ」
ギネルは悲鳴のような声を上げながら、俺に吹っ飛ばされ、魔法陣内で尻もちをついた。
「イッタァァ……と、突然、何をするんです!?」
そしてギネルは怒りに満ちた表情で、すぐさま立ち上がったのである。
「どういうつもりだ! 貴方ね、一体何の恨みがあって私にこんな事をするんですか!」
予想通りの展開だったので、俺は奴に向かい笑みを浮かべた。
「何がおかしい!」
「ギネルさんでしたっけ、貴方凄いですねぇ。魔法陣の影響全然受けてないじゃないですか。なんでなんです」
「え? あっ……」
ギネルはそこで周囲を見回した。
自分が魔法陣の中に入ってしまっているという事をようやく気付いたようだ。
「やはり貴方はそちら側の者でしたか。都合よく1人だけ助かったなんて、おかしいなと思ってたんですよ」
アヴェル王子とウォーレンさんが意気揚々と俺の所へとやって来る。
「またコータローの言う通りだったな。お前、病み上がりなのに、相変わらず、敵を見破る力が凄いわ」
「本当ですよ。でも、道中ずっと小芝居続けた甲斐がありましたね」
「ええ、お陰で敵の尻尾は掴めました」
ギネルは忌々しそうに俺達を睨みつける。
【おのれぇ……気付いていたのか。だがな、これで勝ったと思うなよ。ここからが本番だ。特に……コータロー! 貴様だけは絶対に許さん! お前だけは是が非でも始末してくれるわ! 者共、であえ! 我等、最後の戦だ!】
するとその直後、奥の通路の方からイシュラナの神官と思わしき者達が数人現れた。
ギネルは二ヤリと笑みを浮かべる。
【リュビストの結界の所為で仲間はもうこれだけになったが、俺の思惑通り、コータロー……
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