Lv67 ラルゴの谷
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った表情で俺に視線を向けた。
「すぐの広間か……コータローさん、どうしましょう? このまま進みますか? 敵がどれだけいるかわかりませんが……」
「そうですねぇ……魔物がいなくなったとはいえ、いきなり中に入るというのも不用心な気がしますが……とりあえず、中に入ってみますか。現場を見ない事には対処も分かりませんので」
「わかりました。では、そうしましょう」
アヴェル王子はウォーレンさんや他の同行者達へと視線を向けた。
「ではこれより、神殿内へと入る。先の戦いで魔物達はかなり少なくなったが、どこかにまだ潜んでいるかもしれない。全員、いつでも戦闘に入れるよう準備をしておいてくれ」
【ハッ】
「では行こう」
そして俺達は、イシュラナ教団のラルゴ支店内に足を踏み入れたのである。
目的の礼拝堂はギネルという騎士の言う通り、神殿内に入ってすぐのところにあった。
吹き抜けの高い天井となっている空間で、礼拝堂の奥の壁には両手を広げた美しい女神イシュラナの大きな石像が建立されている。
全体的に体育館のような広さで、全ての壁に女神のフレスコ画っぽいのが描かれていた。
その壁面付近には照明用の松明が幾つか置かれている。その為、神殿内はやや焦げ臭い。
また、床には磨き抜かれた四角形の白い石のタイルが敷き詰められており、それらに松明の明かりが反射して礼拝堂内を明るくしていた。外の不気味な雰囲気とは違い、中は思いのほか神聖な感じであった。
そして、そのフロアの中心には奇妙な紋様が幾つも描かれた丸い魔法陣があり、その中に30人程の武装した者達が感電でもしたかのように小刻みに震えながら捕らわれていたのであった。
見たところ、集団で金縛りにあっているような感じであった。
アヴェル王子達の驚く声が礼拝堂に響き渡る。
「な!? こ、これは!?」
「こんな事が!?」
「魔物達はこんな罠を仕掛けていたのか……チッ」
「助けると言っても、どうすればいいんだ……」
アヴェル王子は中年騎士に視線を向けた。
「ギネル殿、これで全員ですか?」
「はい、これで全員であります。ですが、気を付けてください。道中もお話ししましたが、この魔法陣の中に入るとエドガー様達同様、捕らわれてしまいますからな」
「グッ」
それを聞き、アヴェル王子達は苦虫を噛み潰したかのような険しい表情で、魔法陣を睨みつけていた。
(しかし、これまた、えらく沢山罠にかかったもんだ。さて、どうすっかな……この手の魔法陣は施した奴が解呪するか、魔導器で魔法陣そのものを乗っ取る以外方法がないとラーのオッサンは言ってたから、取れる対応は限られてくる。まぁ誰が施したか見当はついてるから、とっととやってしまうとするか。乗っ取りの魔導器も持ってるし……)
俺はそこでギネルという騎士
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