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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第112話:目には見えずとも愛はある
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でしょう?」
「単刀直入に聞く。お前、錬金術師だな?」
「はい。ですが、キャロルの様に全ての知識や能力を統括しているのではなく、限定した目的の為に作られたにすぎません」
「作られた?」

 生まれた、ではなく作られた、と言う言い方をするエルフナインに響が疑問の声を上げるが、一方でその答えを聞いたウィズは傍から見ても分かるほどの敵意をエルフナインに向け始めた。

「……ホムンクルスだな?」
「! ご存じでしたか。その通りです」
「一応聞くが、製作者は件のキャロルか」
「はい……」

 次第にウィズの敵意がエルフナインにも伝わったのか、微かに体を震わせ始める。異様な緊張感が漂い始めた事に、その場の全員が固唾を飲んでエルフナインとウィズを交互に見た。

 と、その時ウィズは徐にハーメルケインを取り出しエルフナインに向け近付こうとした。瞬間、彼の意図を察した颯人と弦十郎が左右から抑えに掛かり、ガルドが部屋の前で通せんぼして通れないようにした。

「ちょちょちょ!? ウィズいきなり何してるんだよ!?」
「お前達は錬金術師の事を何も分かっていない。今回の事件の首謀者の手により生み出された存在だぞ、何か仕掛けられているに決まっている。ここで始末する方が後の為だ」
「だが同時に重要な情報源だ!? それにだからと言って命を断とうとするなど間違っている!!」
「そんな甘い事を言っていると、今に足元を掬われるぞ!」

 ウィズは完全にエルフナインを早々に始末する事に決めているようで、颯人と弦十郎を振り払ってエルフナインに刃を振り下ろそうとしている。強い殺意を向けられ、エルフナインは身を縮こませて震えていた。エルフナインを守る様に、部屋の中で響が彼女を抱きしめ透が2人を背に庇う様に立つ。

 尚も暴れるウィズに、颯人は弦十郎と頷き合うと力尽くでその場から引き摺って行こうとした。

「とにかく! まずは色々と話を聞いてからでも遅くねえだろ、とりあえず落ち着け!」
「まずは頭を冷やせウィズ!」
「放せ貴様ら!! 後で後悔する事になるぞ!」
「あぁ、もう!? 悪い、ちょっとウィズの頭冷やさせて来る! 話は後で纏めて聞くから進めといて!」
「あ、アタシも行く!」

 ウィズを颯人と弦十郎が引っ張っていき、奏がそれについて行くと最後にアルドがエルフナインを一瞥して去っていった。

 後に残されたガルド達は、ウィズ達の姿が見えなくなったことを確認すると重圧から解放され大きく溜め息を吐くのだった。

 その光景を遠くから見てほくそ笑んでいる者が居るとも知らずに…………
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