暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第112話:目には見えずとも愛はある
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「その疑問については私が答えましょう」
「うぉっ!?」
「なになに?」
「アルド?」

 声を掛けてきたのはアルドだった。何時の間にか颯人達部屋の外に居た男3人の背後に居たアルドが声を上げたものだから、部屋の外に居た3人は飛び上がるほど驚いた。
 アルドの更に後ろには、何故かウィズの姿もある。彼は何も言わず、部屋の中のエルフナインの事を見ていた。

「アルド? 了子さんの手伝いでアタシのガングニール修理してるんじゃ?」
「修理のお手伝いと言うよりは、気になる事があったので調査に付き合わせてもらったんです。その結果、奏さんのシンフォギアについて分かった事がありました」
「それは?」

 全員の視線を受けつつ、アルドはフードの陰から見える口を開いた。

「奏さんのシンフォギアが軽い損傷で済んだのは、結論から言ってしまえば颯人が原因です」
「俺?」

 他の装者と奏を比較した際、明確に違うところが一つある。
 それは颯人と魔法的な繋がりを持っているという事だ。奏が受けるシンフォギアのバックファイアを代わりに請け負う為、颯人は奏と魔法でパスを作り負担を自分の方に流している。その繋がりは未だに切れてはいなかった。

「颯人の主観では奏さんの負担を自分が受けているだけと言う印象でしょうが、その実2人の間には魔力でラインが出来ている状態です。そのラインを維持する為、奏さんには颯人から僅かながら魔力が絶えず流れ込み続けているんです」
「で、それが?」
「錬金術も魔法も、術や能力の行使には魔力が使われています。そして術として変換された魔力同士は、場合にもよりますが互いに反発し合います」

 何より奏に流れ込んだ魔力はシンフォギアにも影響を及ぼしており、シンフォギアのバリヤーフィールドに混じり奏の体とシンフォギア自体を守護するのに役立っていた。
 つまり、奏のシンフォギアは奏自身も気付かぬ内に魔法使いの鎧に近い性質を持ち始めていたのだ。シンフォギアと魔法使いの鎧、両方の性質を持ち始めていたと言っても良い。

 その結果、奏のシンフォギアはアルカノイズに分解される事を免れたのだ。ただし、魔力による防御力のブーストも完全なものではなかった為、度重なるアルカノイズの攻撃などで損傷は免れなかったらしい。

 アルドの話を聞き、颯人は嘗て使用した指輪を取り出し眺めた。

「そっか……俺、また奏を守れたんだな」
「颯人……」

 感慨深そうに呟く颯人に、奏が熱の籠った視線を向ける。2人の間に漂う雰囲気に、中てられることになった他の者達は逆に恥ずかしがったり興味深そうな視線を向けたりしていた。

 その雰囲気を払う様にウィズが咳払いをした。

「んんっ、そんな事よりそこのお前に一つ聞きたい」
「は、はい! な、何
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