暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第112話:目には見えずとも愛はある
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るのは俺と透、響ちゃんの3人だけって事か」
『いえ、奏ちゃんのギアは損傷自体は小さいから、少しの修理で戦線復帰できるわ』
「あ、そう言えば何でアタシのギアは分解されなかったんだ? 翼と同じ攻撃を喰らった筈なのに?」
『そこも分からないのよねぇ。修理と同時進行で現在調査中なのだけれど、分解の仕組みが分からない限りどうにも……』

 天才とは言え万能ではない。分からない事はどうしても存在する。了子が不可解な事態に首を傾げていると、颯人の言葉に切歌と調が食いついた。

「待ってほしいデスよ!」
「私達だって――――」

「『駄目だ(よ)』」

 自分達も戦えると主張する切歌と調。実際先日の戦いでは、戦えなくなった透とクリスの2人を助け出したのはこの2人だ。2人には敵に挑み、戦えなくなった透たちを助けたという実績がある。
 それなのに戦力外通告されるのは納得いかないと声を上げる2人だったが、それを遮る様に弦十郎と了子が声を上げた。

「どうしてデスか!?」
「……LiNKERが無いからに決まってるだろ」
『奏ちゃんの言う通り。ここに在るLiNKERは奏ちゃん用に調整した物。調整も無しに使ったら、どんな副作用が出るか分かったものじゃないわ』

 奏に続けるように了子が説明した。彼女の言う通り、今本部に存在するLiNKERは奏専用に色々と調整を施してある。肉体が成人しており、また本人の希望もあって薬効を高められた劇薬だ。それを未成年の2人に投与した場合、最悪初期の奏の様に副作用に苦しめられる可能性すらあった。

 そんな事を見過ごせる訳がない。ましてや、LiNKERを用いないでシンフォギアを纏うなど……

「……何処までも私達は、役に立たないお子様なのね」
「……メディカルチェックの結果が思った以上に良くないのは知ってるデス。……それでも――!?」

 口惜しそうに俯く2人に、奏は近付くとそれぞれの頭を撫でた。

「「わっ!」」
「そうしょげるな。今は、って話だ。状況が落ち着けば、了子さんが2人に調整したLiNKERを用意してくれる。そうだろ、了子さん?」

 奏がモニターに映る了子を見ると、了子は仕方ないという様に苦笑した。誰も2人に合わせたLiNKERを作るなどと言ってはいない。寧ろ了子としては、奏の二の舞を避ける意味でも2人にLiNKERを与える事にはやや否定的であった。

 とは言え、戦闘に出れる者が限られるS.O.N.G.からすれば戦える者は1人でも多く確保したい。戦える者が1人でも多くなれば、その分1人1人に掛かる負担は軽くなる。
 尤も了子と弦十郎は、そんなこと口が裂けても言わないが。

「だから、今は大人しく待っとけ。な?」
「そうだぞ。2人に何かあれば、マリアとセレナも悲しむ。2
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