過去編 ウルトラゼファーファイト
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テンペラー軍団の襲来という、この世界史上最大の侵略が始まる運命の日から、約4年前。
地球の防衛という大任を担うBURKとウルトラマンザイン――椎名雄介は、日本を揺るがす大事件に直面していた。
『くそッ……! なんとしても、こいつらを発電所に入れるわけには行かないッ!』
――都心部からは遠く離れた山中に設けられている、原子力発電所。
日本のインフラを担うその発電所を背にしているウルトラマンザインの前には、2体の怪獣が立ちはだかっているのだ。
複数の怪獣を相手にしたことがなかった当時のザインにとっては、非常に苦しい状況なのだが――この戦いだけは、一歩たりとも退くわけには行かないのである。
発電所を稼働させているウランを狙っている、「ウラン怪獣」ガボラ。電気を餌としている「透明怪獣」ネロンガ。
その2体の怪獣の暴走だけはなんとしてでも阻止せねば、原子力発電所は甚大な被害を被ってしまう。そうなればインフラへの損害のみならず、最悪の場合――この一帯が放射能によって汚染される可能性もあるのだ。
核の恐怖を知る人類の1人として、その守り手たるウルトラマンとして。ザインは今、かつてない窮地に陥っている。
そんな彼に続くべく、弘原海隊長と駒門琴乃も光線銃を手に必死に応戦しているのだが、彼らの攻撃など怪獣達は気にも留めていない。
「くそったれッ! やっぱりBURKガン程度じゃ蚊が刺す程度にも効かねぇってことかよッ……!」
「しかし、今から退却してもザインが敗れれば我々も助からないでしょう……! 隊長、ここは腹を括るしかありませんッ!」
「分かってらァッ! 駒門、ここまで来たらお前も覚悟を決めやがれッ!」
「元より私は……そのつもりですッ!」
彼らの戦闘機もすでにネロンガが放つ電撃によって撃墜されており、もはや光線銃での白兵戦に挑むしかない状況であった。
放射能汚染の懸念があるこの状態で戦闘を続けるのは本来得策ではないのだが、今さら撤退したところで万一ザインが発電所の防衛に失敗すれば、汚染から逃げ切れる可能性も低いのだ。
こうなれば、もはや一連托生。弘原海達はザインと運命を共にしつつ、ただ貪欲に勝利を目指すしかないのである。その時、発電所内の火災現場から職員達の悲鳴が響き渡って来た。
「隊長、発電所内にはまだ逃げ遅れた職員達が居る模様です! 自分が避難誘導に向かいます!」
「江渡……!? 済まん、危険な任務になるが……頼んだぞッ!」
「いいか、決して無理はするなよ! 入隊早々死なれては寝覚めが悪いからなッ!」
「分かってますよッ!」
彼らの悲鳴を耳にした、BURKの新人隊員――江渡匡彦は光線銃
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