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Fate/WizarDragonknight
見滝原南の医者
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を守るために戦ってる。蒼井晶も含めて。もし、サーヴァントのアンタが自分のために蒼井晶やほかの誰かを傷付けるなら、俺はアンタとだって戦える。それこそ、全力で」
「へえ……」

 狂三は静かに唇を舐め、ハルトの首に手を当てた。

「きひひひひっ……! 人間を守る? 貴方が? その仮面で?」
「……っ!」

 ハルトはその一言で血相を変える。
 取り出したウィザーソードガンで、狂三へその銃口を向ける。
 だが同時に、狂三も同じ行動をとっていた。彼女は取り出した西洋銃を、ハルトの顔に押し当てていた。
 数秒、二人の間に沈黙が流れる。
 だがやがて、狂三の方が噴き出す。

「きひっ! きひひひひひひひっ!」

 狂三が、口を大きく歪めて笑い出す。
 彼女は「冗談ですわ」と銃を下げた。

「あなたのことは監督役から色々と聞いておりますわ、ウィザード。わたくしの願いを叶えるために……せいぜい利用させていただきましょうか?」
「……」

 ハルトは何も言わない。
 やがて狂三は、微笑を絶やすことなく、徐々に後ろに下がっていく。彼女の姿は、瞬時に黒い夜の闇に溶けていった。

「は、ハルトさん、大丈夫?」

 突然の響の声にハルトは飛び上がる。

「響ちゃん? いつからいたの?」
「割と最初からいたよ?」
「あ、そうだったの? 全然気づかなかった」
「ひどいッ!」

 ハルトの反応に、響は口を尖らせる。

「でも、あの人……狂三ちゃんがフォーリナーなんだね。やっぱり、わたしは手を伸ばしたいよ」
「……そうだね」

 それ以上は、今は何も言うことはできない。
 やがて、ハルトと響は、医者から声をかけられた。

「二人とも。この場所を夜遅くに歩くのは危険だ。今夜はここで泊って行きなさい」



「見つけたよ。ムーンキャンサー」

 見滝原南。
 ハルトと響が医者のもとで休息の時間を取っていた時。
 静かに歩むトレギアは、目的のサーヴァントを見つけていた。
 言葉を発しないサーヴァント、ムーンキャンサー。
 全身の触手をバラバラに放ち、疲れ果てたかのように息をひそめていたその生命体、その触手の先端をゆっくりと踏みつける。

「ふうん……反応なしか」

 トレギアはムーンキャンサーの首を掴む。軟体生物を思わせるその体は、もはや生気もない。

「さて。このままマスターのもとへ連れて帰ってもいいが……それだけだと面白くないな」

 左手でムーンキャンサーの首根っこを掴み、右手で指をさす。
 トレギアの指から赤い雷が迸り、ムーンキャンサーへ注がれていく。
 数回の痙攣を繰り返す異形のサーヴァント。やがてムーンキャンサーの全身は、徐々に変化していく。あたかも哺乳類の胎生を
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