暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
煽り
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もの真田ならここで違和感に気が付くはずだった。しかしこの日は様々な要素が重なったことによりその違和感に気付けない。
絶好調の瑞姫に手も足も出ない桜華学院。元々の選手層の薄さと力のなさから瑞姫の体力を削りに来たようにしか見えなかった。
コッ
またしてもセーフティバント。しかし打球の勢いも殺しきれずコースも甘い。瑞姫がこれを捌いて難なく一塁をアウトにしていた。
「出雲、美幸、
青葉
(
アオバ
)
、貴重な一打席をありがとう」
「いえいえ」
「準備は整った感じですか?」
「あぁ。お陰さまでな」
「ということは……」
この回セーフティバントを敢行した三人の問いに青年は頷く。それを受けた他の少女たちは嬉しそうに頬を緩ませる。
「次の回……仕掛けるぞ」
莉愛side
「ナイス瑞姫」
「サンキュー」
冷静な処理で三人をアッサリ切ってくれた瑞姫に労いの声をかける。少し汗ばんでいるけど、まだ呼吸も乱れていないし大丈夫そうかな?
「莉愛、さっき何打ったの?」
ヘルメットを被っている莉子さんから声をかけられる。さっき打ったのは……
「外角のストレートですね」
「特徴とかあった?」
「んん??そんなになかったような……」
横から投げられてるから違和感はあるけどこれといった特徴があるような気はしない。コースが厳しいことくらいかな?っとも思うけど、踏み込めば対応することはできるし……
「ふ〜ん……なるほど。ありがと、それでいってみようかな」
初回のピッチングはあてにならないことはこれまでの戦績からわかっている。だからこその質問だったんだろうけど、私もよくわからないしなんとも言えない。
(あ……でもあのこと伝えなくてよかったのかな?いや、でもいいか)
既にネクストに向かっている莉子さんを見てから伝え忘れたことがあったことに気が付いたけど、そこまで重要なことじゃないしとそのままベンチに戻る。
(この回は凌いだけど、次の回はまた違う攻め方をしてくるかもしれない。でも中盤を凌ぎきれれば勝てるはず)
あんな奇襲戦法が終盤にリードされている状況で、選手たちが冷静に決めることなんてできるはずがない。とにかく5回まで相手を抑えることができれば……
守備への不安と責任感……そのことが勝ってしまい大事なことを伝え忘れてしまった。そのせいで試合が混戦に陥ってしまうことをこの時の私は予想することができていなかった……
第三者side
三回の裏の攻撃。打席には前の打席アウトにはなっているもののいい当たりを放っている紗枝が入る。
(この子
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